吉田正尚、千賀滉大が奮闘中 メジャー1年目から主力として活躍
名門の主力として活躍する吉田正尚

オリックス時代の吉田正尚
レッドソックスの吉田 正尚外野手(敦賀気比出身)は、昨年オフにメジャー移籍を公言。レッドソックス入団1年目では異例のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を決めた。
オリックス時代に2018年から5年連続で3割を記録。打率の詳細を見ても、一番低いシーズンでも.321を記録するなど、コンタクト力の高さがわかる。
さらに、2019年から4年連続で得点圏打率3割を超え、(2019年.301、2020年.356、2021年.400、2022年.367)勝負強さも伺える。
東京五輪やWBCでは、初見の投手を難なく打ち崩した。特にWBCでは、大会記録となる13打点を記録し、勝負強さを発揮した。
NPBでは、投高打低の時代に安定した成績を残した吉田には、メジャーリーグでも安定した活躍が求められた。メジャーリーグでは、4月に一時的に打率は1割台にまで低迷するが、打率を一気に上げていき、現在は3割前後をキープしている。
吉田の強みは、スピードボールにも対応できることだ。そのため、これまで挑戦してきた日本人打者の中でもスムーズに対応できているのだろう。また、三振が少ない打者だが、積極的に振りにいって三振が少ないことから、コンタクト力の高さは優れていることがわかる。
今シーズンの吉田には、イチロー(元マリナーズ)や松井秀喜(元ヤンキース)以来の日本打者打率3割達成に期待していきたい。
落ちる球を駆使して上々のスタートを切った千賀滉大

ソフトバンク時代の千賀滉大
メッツの千賀 滉大投手(蒲郡高出身)は、開幕から上々のスタートを切っている。
千賀の場合は、得意としているフォークの軌道が特殊なこともあり、高い奪三振率を誇っているのだろう。
この千賀の活躍を含め、これまでの日本投手では、野茂英雄(元ドジャースなど)や佐々木主浩(元マリナーズなど)、上原浩治(元レッドソックスなど)、岩隈久志(元マリナーズなど)、楽天・田中 将大投手(駒大苫小牧出身)、オリックス・平野 佳寿投手(京都鳥羽出身)といった水準以上のスピードボールにフォークを駆使した投手が活躍している。
日本人投手は昔から決め球として、フォークやスプリットを投げることが多い。
肘への負担が比較的少ないチェンジアップなどがメジャーリーグでも主流となっているとはいえ、スプリットをこれだけ扱えるのは世界で日本のみだろう。
その結果、パドレス・ダルビッシュ 有投手(東北高出身)や、ツインズ・前田 健太投手(PL学園出身)も縦の変化球を渡米後に強化した。活躍できているのは、これが効果的な球だからだ。そのため、現在のNPBではオリックス・山本 由伸投手(都城高出身)、ロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡高出身)などは、メジャーリーガー相手でも対応できる可能性は高いと考えられる。
千賀の強みは、フォークもだが、他の球種もNPB時代に強化できたことだ。ただ、これまでのピッチングを見ると、直球とフォーク以外の被打率は高いのが現状だ。そのため、今後は打ち込まれる場面が増えていく可能性は高い。
シーズンを通した活躍をするには、フォーク以外の球種を磨けるかにもかかっていくだろう。