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2023年シーズン、キャリアハイの期待が高まるエースたち

2023.05.19

2023年シーズン、キャリアハイの期待が高まるエースたち | 高校野球ドットコム
佐々木 朗希

 プロ野球も今シーズン1ヶ月以上が経ち、各球団エースの成績にも差が生まれている。その中でも最も注目されているのは、ロッテの佐々木 朗希投手(大船渡高出身)だ。

 現在は右手中指のマメの影響で登板間隔を空けている状態だが、開幕当初は昨シーズンと同様に各打者を圧倒的に抑えている。

 4月14日のオリックス戦は、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に導いた先発ローテーションの一角を担った佐々木朗と山本 由伸投手(都城高出身)の投げ合いになった。

 金曜日のナイターゲームに相応しい好カードだった。この試合の佐々木朗は、バランスよく配球が組み立てられたイニングを、スムーズに終えることができた。しかし、直球に偏ったり、スライダーを生かしきれなかったことが原因で、球数が増えたことを考えると、松川とのバッテリーとして見たかった部分もある。よりスムーズに抑えることができれば、完封も可能だった。

 4月28日のオリックス戦で165キロを記録した。今シーズンは4年目ということもあり、初の個人タイトルの獲得も可能性としてはある。

 佐々木朗の好調の要因は、WBCでパドレス・ダルビッシュ 有投手(東北高出身)から学んだスライダーを活用していることが大きいだろう。今後はこのスライダーを完全に操れるようになれば、12球団でトップレベルの投手になれるだろう。ポテンシャル自体は、歴代最高の投手のため、夏場以降もバテずに投げきれれば沢村賞を獲得できるに違いない。

 その佐々木朗とともに好調を維持しているのは、西武の髙橋 光成投手(前橋育英出身)だ。現在は勝利数1位タイ、防御率4位、奪三振は3位タイを記録とキャリアハイを目指せるスタートを切っている。4月22日のオリックス戦では山本由伸に投げ勝っている。

 スピードボールの強度から、変化球まで高いクオリティーを見せ、日本代表に選ばれていてもおかしくないレベルのピッチングを見せている。

 2年連続沢村賞に輝いたオリックスの山本由伸は、昨年までと比較すると今年はやや物足りなさがあるのは否めない。今のクイックに近いフォームと比較すると、以前の方が良かったように見える。今シーズンの奪三振率の高さは、さすがの一言だが全体的に見ると、2021、2022年の方が打たれない球を投げられていた。そのため、相手の投手が佐々木朗や髙橋といったトップクラス同士の対戦になると、劣勢の展開になりやすくなっている。

 以前までのクオリティーなら、メジャーでもトップに入れるレベルだったが、今年のパフォーマンスではトップレベルに行くには難しく感じる。フォームを戻した方が以前のようなパフォーマンスは発揮されやすいだろう。

 セ・リーグでは中日・小笠原 慎之介投手(東海大相模出身)が素晴らしいパフォーマンスを見せている。昨シーズンは初の2ケタ勝利を記録し、今シーズンは開幕投手を務めた。

 今シーズンは昨シーズンと同様に奪三振率の高さがあり、タイトル獲得も射程内にいる。また、西武・髙橋と同様に、甲子園優勝投手であることから、勝ち方への嗅覚は他の選手にはないものがあるだろう。

 まだまだエースとは言えないが、甲子園優勝投手である西武の今井 達也投手(作新学院出身)も素晴らしいパフォーマンスを見せている。

 甲子園のスター選手が、活躍することにより、さらに多くの野球ファンが増えていくことも可能性として高くなるだろう。

(記事=ゴジキ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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