立命館宇治vs京都翔英
立命館宇治が京都翔英にリベンジ！プロ注目の京都翔英・小笠原も存在感を示す
5回表に3点適時二塁打を放った小笠原蒼（京都翔英）
＜春季高校野球京都府大会：立命館宇治7－6京都翔英（延長10回タイブレーク）＞◇3日◇2次戦1回戦◇太陽が丘
昨秋に続いてベスト16で実現したこのカード。秋は京都翔英が初回に4点を奪った勢いそのままに9対0で7回コールド勝ちを収めたが、この日は前回と真逆の展開となった。
立命館宇治は1回、1死一、三塁のチャンスを作ると、4番・稲葉 康誠（3年）の右前適時打で1点を先制。さらに相手の失策で追加点を挙げる。
試合の流れをつかんだ立命館宇治は3回に2死三塁から5番・伊東 航（3年）の適時内野安打で1点を加えると、4回には8番・十川 奨己（2年）の右越え適時二塁打と相手の暴投で2点を追加した。
このままワンサイドゲームになると思われたが、5回に試合が動く。京都翔英は2死一、二塁から2番・西山迅（3年）の左前適時打で1点を返すと、その後、満塁となり、プロ注目の強打者である4番・小笠原 蒼（3年）に打席が回る。高校通算24本塁打のスラッガーは「詰まっていた」と言いながらも2ボール2ストライクからの直球を右中間フェンスまで運び、走者一掃の3点適時二塁打で1点差に詰め寄った。
それ以降は膠着状態となる。京都翔英は4回途中からリリーフした松山 紘生（3年）が粘り強い投球を見せると、立命館宇治も7回から登板した杉田 聖児（3年）が好投して、立命館宇治が1点リードのまま試合は最終回を迎えた。
京都翔英は9回、2死一、二塁と一打同点のチャンスを作り、打席に小笠原を迎える。ここで立命館宇治は何と申告故意四球で満塁策を選択。押し出しよりも小笠原の長打を警戒したようだ。しかし、続く途中出場の唐橋 虎（2年）に押し出し四球を与えて、同点とされてしまい、タイブレークから始まる延長戦に突入した。
10回表の京都翔英は1死満塁から9番・長谷 煌晟（3年）がつまりながらもセンター前に落とす適時打で1点を勝ち越す。しかし、続く善野 陽太（3年）の打席でスクイズを外され、三塁走者がアウトになると、善野も三振に倒れて追加点を奪うことができない。
その裏、立命館宇治も1死満塁のチャンスを作ると、1番・神農 翔多（3年）が押し出し四球を選んで同点となる。続く2番・井上 将徳（3年）の死球で押し出しとなり、立命館宇治のサヨナラ勝ち。苦しみながらも秋のリベンジを果たした。
8強入りを果たした立命館宇治は夏のシード権を獲得。京都翔英はノーシードで夏を戦うことになった。
試合後の取材で小笠原は進路をプロ1本に絞っていることを表明。「厳しい世界に飛び込もうとしているので、2ヶ月しかないですけど、一から見つめ直していきたいです」と強い決意を語った。チームは敗れたが、4打数2安打3打点と4番の役割を果たしている。夏に評価を上げることができれば、高卒でのプロ入りも見えてくるだろう。
（記事＝馬場 遼）
