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平均球速160キロのストレートに世界が驚き 佐々木朗希が驚異の投球でチェコ打線をねじ伏せる

2023.03.12

佐々木朗希の国際大会デビュー戦

平均球速160キロのストレートに世界が驚き 佐々木朗希が驚異の投球でチェコ打線をねじ伏せる | 高校野球ドットコム
佐々木 朗希

<WBC:日本10ー2チェコ>◇11日◇1次ラウンドB組◇東京ドーム

 この試合の先発は、佐々木 朗希投手(ロッテ=大船渡出身)が国際大会デビュー戦として先発した。多少の力みはあったものの、160キロ以上を連発をして、チェコ打線を力でねじ伏せた。平均球速も160キロを記録した。この数字だけを見ても、日本だけではなくメジャーリーグでもトップクラスである。

 昨年の強化試合では球に馴染めずに、シーズンのような圧倒的なピッチングは見られなかったが、この試合では21歳とは思えないマウンドさばきをみせた。佐々木は現在地を見ても、投手として大谷 翔平投手(エンゼルス=花巻東出身)よりもポテンシャルの高さを感じられる。プロ入り後は大事に育成されていたが、シーズンを投げ切れる体力と投球術をさらに磨いていければ国内だけではなく、メジャーリーグの中でもトップクラスの成績を残せるだろう。このWBCの経験で、さらに大きく成長することに期待したい。

2試合連続の2ケタ得点を記録した好調を維持する打線

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山田 哲人

 打線はいまだに好調をキープしている。ラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)、近藤 健介外野手(ソフトバンク=横浜高出身)、大谷が揃ってヒットを放った。また、吉田 正尚外野手(レッドソックス=敦賀気比出身)の勝負強さを生かした得点シーンも見られた。

 メジャー組に関しては、3試合終了時点で下記の成績である。

・ヌートバー:打率.455
・大谷:打率.500
・吉田:打率.625

 開幕前に心配された打線だが、メジャー組の加入や2番として機能している近藤の活躍により、上位打線は手をつけられない状態になっている。さらに、初戦で適時打を放ち、この試合でスタメン出場をした山田 哲人内野手(ヤクルト=履正社出身)は、この試合でも適時打を放った。

 大会前に鈴木 誠也外野手(カブス=二松学舎大附出身)が離脱したことから、外野手や右打者層の薄さが、懸念材料として挙げられていた中で、国際大会の経験が豊富な山田の復調は大きな収穫である。打撃の安定さや守備を考えると、二塁手を山田に固定し、一塁手を牧 秀悟内野手(DeNA=松本第一出身)に起用する布陣が一番バランスがいいだろう。

 また、打撃不振で苦しんでいた村上 宗隆内野手(ヤクルト=九州学院出身)に、ヒットが出たことにより、本人もようやくホッとしただろう。ただ、大谷の後ろを打つプレッシャーもあることから、オーストラリア戦では、吉田を大谷の後ろにすることも試していいだろう。

守備の要・源田壮亮と守護神・栗林良吏の穴をどう埋めるか

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坂本 勇人

 チェコ戦後に守備の要・源田 壮亮内野手(西武=大分商出身)と守護神・栗林 良吏投手(広島=愛知黎明出身)のケガや故障が報道された。

 源田に関しては、韓国戦で帰塁の際に右手を痛めたが、骨折していたことが11日に分かった。試合前練習には参加せず、右手の薬指と小指をテーピングし、ユニホーム姿で試合前のメンバー紹介に登場してベンチ入りしたが、守備の要となる源田が離脱となると、厳しい展開になる。現段階で日本は、打撃力が目立つ中で韓国戦とチェコ戦で1つずつ失策を記録している。東京五輪では、ディフェンス面も他国より勝っており、失策数は参加国最少の1つだった。チェコ戦でも初回に守備のミスにより、先制点を許したことから、ディフェンス面を固めていく必要がある。

 大会前に辞退したが、歴代最高遊撃手でありながら、国際大会の経験が豊富で、東京五輪では実質キャプテンとしてチームを引っ張っていた坂本 勇人内野手(巨人=光星学院出身)を呼ぶのも視野に入れた方がいいだろう。ベテラン野手が不在の日本で、最高のピースになることは間違いない。

 また、守護神として期待されている栗林も、下半身のコンディション不良が報道された。東京五輪でフル回転でリリーフ陣を牽引し、MVP級の活躍を見せた栗林が、難しい状態であれば、投手も入れ替えが必要になっていく。予備登録メンバーにもいる投手なら、前回大会も経験している平野 佳寿投手(オリックス=京都鳥羽出身)が適任だろう。

 大会前からケガ人が続出している日本だが、上手く選手をマネジメントしながら、オーストラリア戦に勝利し、気持ちよく全勝で1次ラウンドを締めくくりたい。

(文=ゴジキ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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