高田商vs乙訓
高田商がサヨナラ勝ち！乙訓との投手戦を制す
2安打完封勝利を収めた仲井颯太（高田商）
＜秋季近畿地区高校野球大会：奈良高田商1－0乙訓（9回サヨナラ）＞◇22日◇1回戦◇紀三井寺公園
奈良高田商（奈良）が京都王者の乙訓を下して、6年ぶりのセンバツ出場に1歩前進した。
試合は奈良高田商・仲井 颯太投手、乙訓・山村 寛投手の両1年生による投手戦となる。左腕の仲井は右打者の外に逃げていく変化球で翻弄すると、山村は要所で内角を上手く使い、走者を背負いながらも得点を許さない。
奈良高田商は仲井が2安打に抑えるも得点機での凡退が多く、均衡を破れない。乙訓は8回から堀江 仁和投手（2年）に継投し、代わり端を3者凡退に抑える。9回裏も簡単に2死となり、このまま延長戦に突入しそうな空気だった。
しかし、7番・米田 真浩内野手（2年）が左前安打で出塁すると、続く8番・仲井も左前安打を放ち、一、二塁と一打サヨナラのチャンスを作る。ここで乙訓はエースの金納 晋平投手（2年）を投入。大事な場面を経験豊富な大黒柱に託した。
ここで打席に立つのは9番の高島 秀成内野手（2年）。「絶対に打ってやろうと思っていました」と3ボール2ストライクから外角の直球を中前に弾き返す。センターも懸命のバックホームを見せたが、二塁走者が生還してサヨナラ勝ち。身長159センチの小柄な選手が大一番で人生初のサヨナラ打を放って見せた。
「予想していなかった展開でした」と赤坂 誠治監督は語ったが、1年生エースの頑張りに最後は先輩がバットで応え、次戦に弾みがつく勝利となった。
29日に行われる龍谷大平安との準々決勝に勝利すれば、センバツ出場に大きく近づく。「伝統校なので、胸を借りるつもりで調整して、来週に向けて頑張りたいと思います」と意気込む赤坂監督。奈良県を代表する公立の雄が聖地への切符をつかみ取れるか。
（取材＝馬場 遼）
