試合レポート

東北福祉大vs東北大

2022.09.24

「プロ一本」明言の長距離砲・甲斐が特大2連発!東北福祉大がドラフト候補生の活躍で14得点大勝

東北福祉大vs東北大 | 高校野球ドットコム
特大の今季1号2ランを放つ東北福祉大・甲斐生海

<仙台六大学野球秋季リーグ:東北福祉大14-0東北大(5回コールド)>◇24日◇第4節・1回戦◇東北福祉大

 仙台六大学野球秋季リーグ戦は第4節を迎えた。開幕から4戦全勝、その全てがコールド勝ちと好調の東北福祉大は、今春32年ぶりに黒星を喫した東北大と対戦。打線が8安打14得点と機能すると、2投手の継投で相手打線を無安打無得点に抑え、またしても5回コールド勝ちを収めた。

 東北福祉大打線が初回から好機をものにした。3四球で2死満塁とすると、6番・西村彰浩外野手(2年=聖望学園)が押し出し四球を選び先制。さらに7番・和田康平内野手(3年=埼玉栄)は三遊間を破る2点適時打を放ち、この回3点を奪った。

 その後も着実にリードを広げる中、4回、頼れる4番に待望の一発が飛び出す。2死一塁で打席に入った甲斐生海外野手(4年=九州国際大付)はフルスイングを続け、7球目でついに捉えた。打球は右翼席に突き刺さり、甲斐は笑顔でダイヤモンドを1周。今季は開幕から大飛球を飛ばしていただけに、20打席目での第1号に「(前節は)ホームランが出ていなかったので力んでいた。ようやく出てホッとした」と胸を撫で下ろした。

 5回、大内海斗内野手(2年=高川学園)の適時打などで2ケタ得点に乗せると、甲斐がまたしても衝撃の一打を放つ。前の打席同様フルスイングで引っ張り、強烈な打球音とともに再び右翼席へ。着弾地点が目視では確認できないほどの特大本塁打となった。

 秋季リーグ戦開幕前にドラフト指名がなければ野球を辞める覚悟を固め、プロ志望届を提出してからも、その意思は揺らいでいない。この日は2回の2点適時二塁打も含め3安打6打点。今季成績は5試合で打率5割7分9厘(19打数11安打)、2本塁打、11打点となり猛アピールが続いているが、「自由に、試合を楽しむ気持ちで」とスタンドのスカウト陣は意識せずに思い切りプレーしている。

 同じくドラフト候補の杉澤龍外野手(4年=東北)はこの日は安打こそ出なかったものの、得点につながる四球と2つの犠飛で存在感を示した。開幕から3試合連続で本塁打を放つなど秋も打棒は健在で、上位指名の期待も高まってきている。

 投げては、甲斐、杉澤とともにプロ志望届を提出している左腕・坂根佑真投手(4年=天理)が好投。3四球を与えるなど課題も残ったが、チェンジアップが冴え、4回無安打6奪三振無失点に抑えた。ここまで開幕から4試合14回を投げ、いまだ無失点。開幕時に掲げた「防御率0.00」の達成が現実味を帯びてきている。

 5回は最速155キロ右腕・堀越啓太投手(1年=花咲徳栄)が今季初登板。春同様150キロ台の直球を連発し、圧巻の3者連続三振で試合を締め括った。

 東北大は先発した道下大洋投手(2年=仙台二)、2番手・阿部哲也投手(2年=都立国立)ら下級生を中心とした継投を見せたが、東北福祉大打線の勢いを止めることはできず。打線も左右の好投手を打ちあぐね、投打で圧倒された。

(取材=川浪康太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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