美里vs石川
両軍少ない部員でも、勝ちたい思いで接戦に
犠飛を放つ大城(美里)
<第151回九州地区高校野球大会沖縄県秋季大会:美里10-8沖縄石川>◇7日◇1回戦
◇アグレスタジアム北谷
美里が15名、沖縄石川は13名の登録。日頃は9対9の紅白戦ができず、実戦では他校に遅れをとっていることが想像できる。暴投や送球ミスなど、どうしてもベンチが目をつむる場面が生じるところも似ている者同士の顔合わせ。だが、二転三転するスコアに、両軍ナインが徐々にヒートアップ。交錯する勝ちたいという思いが最後まで見られた接戦となった。
ベンチが元気な美里が先制も、石川が逆転
2回表、美里は5番・冨名腰が内野安打でしぶとく出塁すると、続く奥浜がセンターの前に落とすヒット。大城の3球目に暴投で二、三塁とチャンスを広げる。ここで大城はレフトへ持っていく犠牲フライ。三走が生還し「よっしゃー!先制!」と、元気いっぱいにベンチが盛り上がった。続く甲斐は、厳しいコースにファウルが精いっぱいという感じだったが、甘いコースにきた球を見逃さず左前へ。その前に相手バッテリーの隙を見逃さず盗塁に成功していた奥浜が悠々とホームインした。
追う沖縄石川は3回裏、2死三塁で4番喜納が期待に応える右前適時打。さらに四球を挟んで瀬良垣、桑江の三連打と見せ場を作り同点に追い付いた。なおも沖縄石川は5回裏、5番仲程の適時二塁打と下位打線の奮闘で3点を奪い勝ち越した。
美里は6回表、相手の四球と暴投などノーヒットで2点を加えると7回には奥浜の2点適時二塁打で6対6と振り出しに戻す粘りを見せる。8回には東江と冨名腰の適時打などで一挙4点。これで勝負あったかに見えたが、そこから見せた沖縄石川の粘りも見事であった。
8回裏、3番前田の二塁打がナインに勇気を与え仲程の適時打で1点。追い込まれた9回裏には、2者連続四球と安打で1死満塁と攻め立てる。相手のエラーで三走が生還し、なおも二、三塁としたがここまで。
美里が11安打、沖縄石川は一つ上回る12安打を放つ、ほぼ互角の戦いができたことで、両軍ともに自信をつかんだことだろう。スラリとした高身長の美里・眞栄城、ガッチリした体格の沖縄石川・喜納の両4番の、これから先の成長も楽しみな点である。
(文=當山 雅通)