Column

大学選手権ベスト4の東日本国際大をはじめとした南東北リーグの好投手を徹底紹介!

2022.09.16

大学選手権ベスト4の東日本国際大をはじめとした南東北リーグの好投手を徹底紹介! | 高校野球ドットコム
渋谷 祐太郎・竹田 葵・市川 正己・瀧本 蒼太

 9月3日に開幕し、11日に2週目までを終えた南東北大学野球秋季リーグ戦。ここまでの9試合のうち、1対0の試合が3試合、2対0、3対0の試合がそれぞれ1試合と、各大学投手陣の好投が目立つ。

 南東北大学野球連盟からNPBに進んだ投手は、相沢 晋投手(石巻専修大卒、元・楽天)、粟津 凱士投手(東日本国際大卒、現・西武)、赤上 優人投手(東北公益文科大卒、現・西武)、石森 大誠投手(東北公益文科大卒、現・中日)の4人と決して多くはないが、近年は好投手が集まってきている。

 特に逸材がそろうのが、今年の全日本大学野球選手権で4強入りした東日本国際大。最上級生では、最速145キロの直球と6種類の変化球を使い分ける高身長右腕・竹田 葵投手(4年=山形城北)が好調だ。3日の日大工学部戦は8回から継投し2回1安打5奪三振無失点、10日の福島大戦は先発し7回1安打13奪三振無失点。いずれも与四死球は0で、最大の武器である制球力が光っている。7回2死までノーヒットノーランを継続する圧巻の投球を見せた10日の試合後は、「まっすぐも変化球も低めに集めつつ、テンポ良く投げることができた」と手応えを口にしていた。

 3年生以下にも注目投手が多い。大山 凌投手(3年=白鴎大足利)は2年秋からリーグ戦で結果を残し、今年の全日本大学野球選手権では準々決勝の大阪商業大戦で完投勝利を挙げるなど3勝をマークする活躍を見せた。2回戦の金沢学院大戦では自己最速151キロも計測。来秋のドラフト候補に名乗りを挙げた右腕は、リーグ戦でアピールを続ける。1年生も阿字 悠真投手(1年=滋賀学園)らが早くも台頭しており、今後の成長が楽しみだ。

 NPBに2投手を輩出している東北公益文科大は、技巧派左腕の瀧本 蒼太投手(4年=宮崎日大)が好スタートを切った。開幕投手を務めた3日の福島大戦は5回無失点。10日の石巻専修大戦も7回無失点に抑え、0を連ねている。直球は120キロ台後半~130キロ台とそれほど速くないが、ツーシームやカットボールなどの変化球を駆使した、打たせて取る投球が魅力。「春はダメだった。秋は最後なので、全員で勝つという気持ちだけで投げている」。器用な投球とは裏腹に、マウンドでは時折、気迫あふれる雄叫びもあげる。

 10日の試合で瀧本と投げ合い、6回無失点と好投した石巻専修大・渋谷 祐太郎投手(4年=築館)は、140キロ台の直球をコンスタントに出す右腕。3日の山形大戦では完封しており、こちらも本塁を踏ませない投球が続いている。石巻専修大は渋谷の他にも庄司 魁投手(4年=山形城北)、岡本 寛太投手(1年=新井)ら140キロ台の速球を持つ右腕がそろっており、今後も注目の存在だ。

 日大工学部は今春新人王を獲得した藤田 一希投手(2年=本庄東)が急成長中。今秋は開幕戦で強力・東日本国際大打線相手に完封すると、10日の山形大戦でも完封勝利を挙げた。速球とスタミナを武器に、これからも白星を積み重ねていきそうだ。国立大である山形大は1年春から投げ続けてきた森谷 穣投手(4年=山形南)が今秋も緩急を使った投球でエースの役割を果たしている。同じく国立大の福島大も市川 正己投手(3年=安積黎明)、越石 寛大投手(3年=不動岡)ら今後さらに伸びそうな逸材が育ってきている。

 東北の大学といえば、これまで主に北東北大学野球、仙台六大学野球からプロの世界で活躍するレベルの投手が輩出されてきた。南東北からスターが生まれる日も、そう遠くない。

(記事=川浪 康太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.26

【福島】聖光学院が4連覇を達成<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉