渡部 海(智辯和歌山)、松尾 汐恩(大阪桐蔭)、野田 海人(九州国際大付)
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9月9日、米フロリダで開幕する「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場するU-18代表20名(全員3年生)が決まった。選手紹介の2回目となる今回は捕手を紹介する。
【捕手】3名
渡部 海(智辯和歌山)
松尾 汐恩(大阪桐蔭)
野田 海人(九州国際大付)
渡部はU-15代表も経験している強打の捕手。2年夏には甲子園優勝に大きく貢献した。この春の近畿大会ではセンバツ覇者の大阪桐蔭(大阪)を破る好リードも見せるなど、攻守の総合力は全国トップクラスだ。
7月の取材では木製バットで本塁打性の打球を連発していた。今年の和歌山大会では3本塁打をマーク。甲子園では不発に終わったが、速球、変化球への対応力も高く、安定した打撃が期待できる。守備面では、投手の持ち味を引き出すリードだけではなく、キャッチング、スローイング能力も高く、盗塁を試みられても常にベース上へコントロールできる技術がある。
松尾は甲子園出場4回を経験。経験値の高さは今年の捕手でも随一で、打者としても甲子園通算5本塁打を記録したスーパーキャッチャーだ。
スローイングもうまく決まれば、1.7秒前後を計測するなど超強肩を持つ。キャッチング能力も高く、ストライクに導くフレーミングにも注目だ。打撃については、バックスイングが大きいフォームで、特にグリップが体の奥側に入りすぎる傾向にある。過去にこういうスイングをした選手は、木製バットへの順応が遅くなりがちで、多少の時間がかかるのは仕方ない。短い練習期間だが、どこまで順応できるか。スーパーラウンド以降から持ち味を発揮することを期待したい。
野田は、1.8秒〜1.9秒台の強肩をマークするディフェンス型の捕手。特に香西 一希投手(九州国際大付)とのコンビは息ぴったりで、強力打線相手にもロースコアのゲームが作れるリードセンスがある。何より今夏甲子園で馬淵監督率いる明徳義塾(高知)を破ったのはポイントが高かった。
技巧派投手の導きは文句なしで、香西の登板時は野田と組むことが予想される。本格派右腕、本格派左腕が多い今大会の投手陣をどう導くのか、注目していきたい。
木製バットの順応はこれからで、守備を期待される選手ではないか。
3人とも下級生から経験豊富な捕手で、マスクを被った時の安定感がある。今年の代表選手は攻撃よりも守備型重視の選手が多いので、あまり得点は見込めず、3点をとって守り切るスタイルのチームになると考えられる。そうなると、正捕手になった選手のインサイドワークが鍵を握るのではないだろうか。
(文=河嶋 宗一)