Interview

地道なトレーニングが実った近畿大・大石、ラストイヤーで圧倒的な成績狙う

2022.04.22

 関西屈指の名門である近畿大で先発投手陣の一角を担っている大石 晨慈投手(4年=近大附)。最速150キロの直球と落ち着いたマウンドさばきを武器に、今春のリーグ戦でも素晴らしい投球を見せている。中学時代には侍ジャパンU-15代表に選ばれ、近大附高では甲子園に出場した。今秋のドラフト候補にも挙げられている実績十分の左腕に近畿大の魅力について語ってもらった。

イメージできていた近畿大へ

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大石晨慈

 中学時代には羽曳野ボーイズのエースとしてジャイアンツカップ優勝にも輝いた。「大阪桐蔭履正社を倒したい」と大阪に残って2強と勝負するために近大附に進んだ。

 1年生からエースとなり、100回記念大会となった3年夏は南大阪大会を制して甲子園に出場。大阪桐蔭履正社は北大阪大会に出場したため、直接対決とはならなかったが、「チームの状態も良くて、凄く良い試合ができた大会かなと思います。それまで1年生、2年生と夏の大会が不甲斐ない成績だったので、とても嬉しかったです」と初の甲子園出場を喜んだ。

 甲子園では1回戦で群馬代表の前橋育英と対戦。打線の援護に恵まれず、0対2で敗戦を喫したが、「自分の実力は出せたかなと思います」と2失点完投と力を発揮した。

 卒業後は近畿大に「内部進学」。近大附のグラウンドは近畿大のグラウンドに隣接していることもあり、「イメージもしやすい大学だった」と語る。「大学からプロに行くという目標を持って入ってきました」と意気込んでいたが、1年生の間は状態が上がらず、リーグ戦で登板することもできなかった。

「高校野球を引退してから大学に入るまでの間も練習していたんですけど、多分、足りてなくて、フォームが崩れたり、感覚の部分で差が出てしまって、そこが調子を崩す原因にもなって、あまり自分の思うような投球ができなくて苦しかったです」

 それでもコロナ禍で全体練習が中断した2年生の春がいい意味でリセットする機会になり、秋からは先発陣の柱として活躍。2年秋には3勝0敗、防御率1.14の活躍でリーグ優勝に貢献し、最優秀投手にも輝いた。

 昨年こそ不本意な結果に終わったが、今春は1節の立命館大戦で5安打、10奪三振で完封、2節の関西大戦は8回3分の1を投げて2失点でそれぞれ勝利投手になっている。その要因について大石は次のように振り返る。

「ウエートや瞬発系のトレーニングはすぐに結果は出ないと思います。自分も1年生、2年生とやってきたことが、今になってようやく成果が出てきました。1日の取り組みでできることではないと思うので、今までやってきたことが積み重なって良い結果に繋がっていると思います」

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プロ1年目から活躍できるように

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大石晨慈

 同級生で同じ左投手の森本 昂佑投手(4年=大阪桐蔭)が努力家と認める大石は、下級生から取り組んできた地道なトレーニングによって、高校時代の141キロから150キロにまで球速を伸ばした。大学入学後の約3年間で大きく成長できた要因について、近畿大の恵まれた練習環境と、自主性を重んじる部の雰囲気があると語っている。

「練習施設は他の大学と比べても整っていると思いますし、ウエート練習場だったり、雨天練習場だったり、どんな天気であっても不自由なく練習できる環境なので、自分のスケジュールも組みやすいと思っています。自分は周りに言われるより自分で考えてやる方が良いかなと思っていますし、大学は細かく言われることよりは自主性に任されることが多いので、その環境が自分に合っているかなと思っています」

 自主性が求められる大学という環境で力を伸ばし、今秋のドラフト候補と呼ばれるようになった。「今年の春、秋に圧倒的な成績を残して、プロに行くだけではなくて、1年目から活躍することをラインにしてこれからも頑張っていきたいです」と高い志を持って、野球に取り組んでいる。

「一番自信のある球が直球なので、その直球で三振を取ったり、バッターをねじ伏せるところを見てほしいです」と自身のアピールポイントについて語る大石。今後のリーグ戦の活躍にも期待が高まる。

(取材:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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