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ほとんどが最速140キロ中盤。センバツでブレークを狙う11人のドラフト候補右腕たち

2022.02.20

 センバツ大会はドラフト候補選手の野球人生を左右するほどの大きな大会だ。今回その舞台に挑む140キロ前半の速球を持つ右腕をピックアップしたい。

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辻田旭輝、川原嗣貴、米田天翼、別所孝亮

 能力的にNo.1は、米田天翼投手(市立和歌山)。その強みは高速変化球にあり、130キロ前後のカットボールに加え、120キロ後半のスライダーがある。ともに切れ味は抜群だ。直球も2年夏の時点で145キロ以上をマークし、その後149キロに到達している。173センチと小柄だが、それを補う威力ある直球を持つ。高卒でプロ入りする投手といえば、身長180センチ以上で、さらに145キロ前後の速球を投げる投手が多い。米田はそうした投手に負けない武器を見せていくことが必要になるだろう。直球の回転数、平均球速に加え、変化球の速度や、直球と変化球の球速差など、求められるレベルは非常に高いが、すべてにおいてトップレベルの投球ができるか注目していきたい。

 辻田旭輝投手(クラーク記念国際)は、常時140キロ台、最速148キロの速球とフォークのコンビネーションが武器。今回、センバツに出場する投手ではトップクラスのポテンシャルを持つ。センバツまで安定感のある投球を見せ、評価を高めていきたい。別所 孝亮投手(大阪桐蔭)も、140キロ前半の速球と切れのあるスライダーを中心とした配球で打ち取る。NPBスカウトからマークされているが、センバツではそのポテンシャルの高さを発揮できるか注目したい。

 身長188センチの大型右腕・川原 嗣貴投手(大阪桐蔭)もポテンシャルが非常に高く、昨年秋の明治神宮大会ではやや精彩を欠いたが、昨年秋季大会全体では35回を投げ、36奪三振、防御率1.29と好成績を残した。直球がどこまでボリュームアップするか。

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関東・近畿・中国地区に右の速球派が主戦投手に

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松林幸紀、越井颯一郎、マーガード真偉輝キアン、榎谷礼央

 榎谷 礼央投手(山梨学院)は、140キロ前半の速球と切れのある高速スライダーで翻弄する。制球力も高く、昨秋の公式戦では43回を投げて、わずか8四死球。防御率1.05と抜群の安定感を誇り、吉田監督も「勝てる投球と、そしてプロを狙える才能とどちらも兼ね備えた投手」と評価が高い。さらにスケールアップすれば、楽しみな投手になれる。

 越井 颯一郎投手(木更津総合)も、140キロ中盤の速球は回転数が高く、爽快感のある投球を見せてくれる。昨年秋季大会では58.1回を投げて、51奪三振、防御率0.93と成績も優秀だ。

 昨年秋はベンチ外だった小田部 夏行投手(浦和学院)は146、7キロをたたき出す大型右腕。ブルペンで見せる重量感あふれる直球は非凡なものがある。ベンチ入りを実現し、甲子園で一気に評価を上げて、野球人生をプラスの意味で変えたいと意気込んでいる。持っているポテンシャルは、出場校の投手の中でトップクラスなので、存分に発揮してほしい。マーガード 真偉輝 キアン投手(星稜)は、重量感のある130キロ後半の速球と多彩な変化球を操る大型右腕。直球がさらにボリュームアップすれば、一気に評価が上がる投手ではないか。

 伸びのある直球という点では、平野順大投手(京都国際)が一番。三浦 銀二投手(福岡大大濠ー法政大ーDeNA)のように、下半身主導のフォームから繰り出される最速145キロの直球の球質は異質のものがあり、ラプソードでは2500回転を記録する。大型右腕・森山 陽一朗投手(広島広陵)は、140キロ前半の速球と縦に鋭く落ちるフォークに、カーブ、スライダーなどを投げ分ける。松林幸紀投手(広島広陵)も明治神宮大会で最速146キロをマークした速球派右腕だ。

(文=河嶋 宗一

[page_break:センバツ注目右腕リスト]

【センバツ注目右腕リスト】
米田天翼市立和歌山
辻田旭輝クラーク記念国際
別所 孝亮大阪桐蔭
川原 嗣貴大阪桐蔭
榎谷 礼央山梨学院
越井 颯一郎木更津総合
小田部 夏行浦和学院
マーガード 真偉輝 キアン星稜
平野順大京都国際
森山 陽一朗(広島広陵)
松林幸紀(広島広陵)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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