Interview

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革 vol.1

2022.01.04

 2018年に甲子園春夏連覇を果たした大阪桐蔭ナイン。選手はそれぞれプロや大学、社会人に進んだが、大学に進んだ選手にとっては2022年の今年に大学ラストイヤーを迎える。その中で注目度が高いのは中川卓也内野手ではないだろうか。大阪桐蔭時代は主将として連覇に貢献。そして早稲田大に進学して、今年から主将を務める。今回はドラフトイヤーで、プロ入りを目指す中川に迫る。

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革 vol.1 | 高校野球ドットコムあわせて読みたい 【対談】中川×蛭間
■vol.1
浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側
■vol.2
負けを覚悟していた。大阪桐蔭春夏連覇主将が振り返る名門・浦和学院戦前の胸中
■vol.3
体張りました!高校時代から日本代表の中川卓也、蛭間拓哉(早稲田大)が振り返る日本代表で得たもの

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革 vol.1 | 高校野球ドットコムあわせて読みたい 中川卓也インタビュー
■vol.1

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革

■vol.2

二塁手は一番難しいポジション。春夏連覇経験者・中川卓也(早稲田大)が新ポジション挑戦を語る

■vol.3

満足したシーズンは1度もない。ドラフトイヤーを迎えた中川卓也が目指すは首位打者獲得

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革 vol.1 | 高校野球ドットコムあわせて読みたい 蛭間拓哉インタビュー
■前編

4スタンス理論、大阪桐蔭との練習試合…世代屈指の強打者・蛭間拓哉の礎を築いた浦和学院時代

大阪桐蔭時代と変わりない姿勢でチームを引っ張る

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革 vol.1 | 高校野球ドットコム
ノックを受ける早稲田大・中川卓也内野手(大阪桐蔭出身)

 取材日は朝9時から練習を開始したが、アップの姿を見ると既視感を覚えた。

 選手たちが足を揃えてグラウンドをランニング。そして先頭を走る中川が声を出して、選手たちが続く。この光景が大阪桐蔭時代そのものだった。大阪桐蔭であっても、早稲田大であっても強くチームを引っ張る。その姿は変わりない。

 入学した時から主将もしくは副主将に就任するつもりだった。
 「一緒に推薦で入った蛭間拓哉浦和学院出身)と、どちらかがキャプテン、副キャプテンになるだろうと思って、ずっとチームのことについて話してきた仲でした」

 ともにドラフト候補として注目される蛭間拓哉浦和学院出身)とともに高め合ってきた。昨秋のリーグ戦終了後、小宮山悟監督から指名を受け、主将に任命した。全選手の手本となるよう、丁寧にキャッチボールとトスバッティングを行い、1つ1つの動きは実戦を意識したものとなっている。また中川だけではなく、どの選手も実戦を想定して行っていることが分かる。新チームがスタートしてからアップとキャッチボールを大事にしてきた。

 「自分がチームを作る上でこだわっているのは、アップとキャッチボールにこだわってて、アップのダッシュで手抜いてたら、やり直しをさせたり、キャッチボールも細かいところまで気を配ってやってないとやり直しをさせたり、そういったところで当たり前のレベルを上げていくというか、そういうチームが最終的に強いチームになってくるので、技術面は置いといて、当たり前のことを当たり前にできるチームというのをこの冬で目覚めてやっています」

 自分が先頭となって、模範となって強く選手たちを引っ張る。大阪桐蔭時代から全く変わりない姿勢だ。もちろん大阪桐蔭と違って、部員は100人以上の大所帯。その中川の思いに応えようと副主将の蛭間がサポートしてきた。

[page_break:副主将、学生スタッフも中川の考えを浸透させ結束を深める]

副主将、学生スタッフも中川の考えを浸透させ結束を深める

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革 vol.1 | 高校野球ドットコム
早稲田大・中川卓也内野手(大阪桐蔭出身)

 「中川がチームを引っ張ってくれたりまとめてくれるので、それを中川に全部背負わせるのではなくて、ある程度中川が言ったことを全員に浸透させるように、中川だけに頼るのではなく、副キャプテンは自分含めて3人いるので、そういうメンバーで中川の考えていることを全員に伝えている段階です」

 大学では主将、副将に加え、学生スタッフが加わる。取材日も学生スタッフが中川の意図を汲み取って練習メニューを考案している。中川は学生スタッフにこう期待している。

 「キャプテン、副キャプテン、学生コーチ、マネジャーだったりこの寮に住んでる4年生は10人いかないくらいなので、そこを中心に枝分かれというか、どんどん広げていって、やってほしいなと思います」

 また蛭間もそれに続く。
 「中川が思っていることや、チームのことを考えて、話したことに対して、選手たちへどれだけ浸透させるかが自分の仕事だと思っています」

 取材日ではアップやキャッチボールが終わると、内野の守備練習は中川がまとめ、外野の守備練習では蛭間がまとめる姿があった。学生スタッフに彼らの評判を聞くと、しっかりとチームのことを見渡していて、ありがたいと語る。

 中川も献身的に支える蛭間について「とてもありがたい」と語る。早稲田大は2015年春の大学選手権以来、優勝から遠ざかっている。これまでも素晴らしい選手が多かったが、あと一歩で及ばなかった。

 アップ、キャッチボールから本気。中川の考えが浸透し、黙々と取り組む早稲田大の選手たちを見ると、リーグ戦での活躍が楽しみになる。

 次回は今年から二塁に転向した中川の守備やその練習について迫っていく。

(記事:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!