中京大中京が選抜4強でプライド示す 2021年東海地区の3大ニュースは?
享栄が春、夏、秋、1年生大会も含めてすべての大会に決勝進出
藤本 逸希(享栄)
愛知県では名古屋市内の私学4強ということがよく言われる。その私学4強の内の3校は、いずれも2000年以降にも全国で実績を残している。中京大中京は2009年夏と2019年の明治神宮大会、東邦は2019年春に、そして愛工大名電も2005年春には前年の準優勝に続いて全国制覇を果たしている。そんな中、享栄のみが2000年春以降、甲子園出場からも遠ざかっており、やや蚊帳の外という印象だった。
その建て直しを目指した享栄は、異例のライバル中京大中京から大藤 敏行監督を異動させてきた。大藤監督は2018年に享栄の監督に就任して3年。徐々に古豪復活としての兆しを示している。2021年の享栄は春季県大会、その後の東海地区大会、さらには夏の選手権大会でいずれも準優勝。そして秋季県大会では久しぶりの優勝を果たした。その後の1年生大会でも準優勝を果たしている。
ただし、1位校として出場した秋季東海地区大会では2回戦で敗退し甲子園へはあと一歩のところで逃している。「一度閉じられた扉は重い。相当な覚悟でないとこじ開けられない」と言う大藤監督。今後のさらなる躍進が期待される。
県岐阜商が春夏の甲子園 新ユニフォームで出場し復活果たす
髙木 翔斗(県立岐阜商)
岐阜県では、ここ数年は大垣日大と中京(前中京学院大中京)などの後塵を拝していた感のあった名門県岐阜商が春夏連続で甲子園出場を果たして、名門復活をアピールした。熊本県の秀岳館で3大会連続甲子園ベスト4進出を果たすなどの実績を引っ提げて、OBでもある鍛治 舎巧監督が2018年に母校の監督に就任して、中止となった昨年のセンバツに出場し、昨年夏の交流試合で復活を果たした。そして今年は春夏の甲子園出場を果たしている。
しかも、伝統のユニフォームを一新して、青と黄色を基調とした鮮やかなものとした。名門校のユニフォーム変更に関しては、さまざまな意見が飛び交ったものの、2021年に甲子園出場でアピールしたことで全国的にも認知された形となった。ただ、春も夏も初戦で敗退してしまったので、次に期待されるのは、2015年春以来、久々の甲子園勝利であろうか。
中京大中京が第93回センバツ大会でベスト4進出果たす
畔柳 亨丞(中京大中京)
新型コロナの感染拡大によって甲子園の大会が春夏共に中止になってしまった2020年の高校野球。その年度の唯一の全国大会となった明治神宮大会を制した中京大中京は、その年は高橋 宏斗投手(中日)、印出 太一捕手(早稲田大)らを擁して、近年最強で甲子園制覇もあり得るとも言われていた。
その翌年のポストチームとなった今年の中京大中京だったが、前年とは全く異なるチームカラーとなりながらもセンバツ出場を果たした。甲子園では専大松戸、敦賀気比、東海大菅生を下してベスト4に進出して健在ぶりを示した。大会6日目が初戦の1回戦となり、その後の日程の都合でエース畔柳 亨丞投手が球数制限にも引っかかりそうだということでも話題となった。準決勝で大分の明豊には屈したが、ベスト4までの戦いは“球国愛知”の代表としてプライド高いものだったと評価された。
(記事:手束 仁)