Interview

浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側 vol.1

2021.12.24

浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側 vol.1 | 高校野球ドットコムあわせて読みたい 【対談】中川×蛭間
■vol.1
浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側
■vol.2
負けを覚悟していた。大阪桐蔭春夏連覇主将が振り返る名門・浦和学院戦前の胸中
■vol.3
体張りました!高校時代から日本代表の中川卓也、蛭間拓哉(早稲田大)が振り返る日本代表で得たもの

浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側 vol.1 | 高校野球ドットコムあわせて読みたい 中川卓也インタビュー
■vol.1

強く選手たちを引っ張る姿勢は大阪桐蔭時代と変わりなく。新主将・中川卓也(早稲田大)が貫くチーム改革

■vol.2

二塁手は一番難しいポジション。春夏連覇経験者・中川卓也(早稲田大)が新ポジション挑戦を語る

浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側 vol.1 | 高校野球ドットコムあわせて読みたい 蛭間拓哉インタビュー
■前編

4スタンス理論、大阪桐蔭との練習試合…世代屈指の強打者・蛭間拓哉の礎を築いた浦和学院時代

 22年、ドラフト候補コンビとして最も熱いのが早稲田大の中川卓也内野手と蛭間拓哉外野手ではないだろうか。中川は大阪桐蔭時代、2018年に春夏連覇。U-18代表での主将を務め、アジア選手権に出場。早稲田大では1年春からスタメン出場し、3年秋にはベストナインを受賞した。

 一方、蛭間は浦和学院(埼玉)時代、主将として、18年夏に甲子園ベスト8を経験。U-18代表では副将を務め、中川をサポート。早稲田大では2年春からリーグ戦で活躍を見せ、ここまでリーグ戦10本塁打と同世代でも群を抜いている。

 現在は中川が早稲田大の主将、そして蛭間が副将と、U-18と同じ構成だ。2人は2018年夏の甲子園準々決勝で対決しているが、この接点について知られざるエピソードがあった。

センバツ前の浦和学院戦がチームが強くなるきっかけとなった

浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側 vol.1 | 高校野球ドットコム
蛭間 拓哉外野手

 彼らの最初の直接対決は17年センバツ前の練習試合だった。

蛭間 最終回まで7対7の同点だったのですが、代打でセンバツ(決勝)でホームランを打った(大阪桐蔭の)西島(一波)さんが代打で出てきて、ホームランを打って負けました。その印象があります。

――蛭間選手にとっては当時の大阪桐蔭についての印象は?

蛭間 やはり全員知っているような選手で、みんなすごかったです。

 17年センバツは大阪桐蔭が優勝。再び両校が練習試合で対決するのは、18年のセンバツ前だった。この時のスコアは、

浦和学院 8対7 大阪桐蔭
大阪桐蔭 5対4 浦和学院

と1勝1敗。この2試合は2人にとっても大きな気づきがあったという。

ーーこの2試合を振り返っていきたいのですが…

蛭間 この2試合、自分は出てないです。自分と渡邉勇太朗(西武投手)が怪我で出ていなくて、打線が奮起してくれて勝ちました。自分は遠征に帯同はしていましたのでスコアを書いてました。

ーー蛭間選手はスコアラーの視点から大阪桐蔭の凄さをどう感じていましたか?

蛭間 やはり一人一人のポテンシャルの高さは感じました。まだ春のはじめの頃だったのでそんなに仕上がっていない状態なのですが、一人一人のレベルは高いと思いました。

ーー中川選手からみた浦和学院の印象はどうでしょう?

中川 ひとつ前の代の時から、すごくコンタクトがうまいというか、芯に当てるがうまい打者が多いとずっと思っていました。年明けから自分の代になって春夏連覇するという気持ちでスタートして、その気持ちを忘れずに、オープン戦を戦ってきたのですが、浦和学院に負けて教えられたというか、あの負けがあったからこそ優勝できたのかなと思います。

ーー浦和学院との戦いを機に変われたのですね。

中川 また一つレベルが上がった気がします。

[page_break:大阪桐蔭と戦って目標ができた]

大阪桐蔭と戦って目標ができた

浦和学院との練習試合がカギとなった 大阪桐蔭春夏連覇の主将・中川卓也が振り返ったセンバツ連覇の裏側 vol.1 | 高校野球ドットコム
中川 卓也内野手

ーーそれまではどんな感じだったのですか?

中川 なんかまだ歯車が合わないような、ピッチャーとバッターもそうですし、チームとして歯車が合わない感じでしたがそこで浦学と2試合やらせてもらって、間のミーティングをやってチームをグッと上に持っていけた気がします。その辺は浦和学院戦からレベルアップできたと思います。

ーー当時の練習試合から西谷(浩一)監督からは、何か言葉はありましたか?

中川 西谷先生からは特に無いんですけど、コーチの橋本先生から浦和学院は初球から振ってきたので、そういう姿勢を見習えよと言われて2試合目に臨んでいい形で迎えられたのでその辺はすごく覚えています。

ーー蛭間選手はスコアラーとして大阪桐蔭戦をみて何を感じましたか?

蛭間 自分たちも、最後の100回大会を優勝するためにずっとやってきた中で、大阪桐蔭を倒さなきゃ優勝できないというのは2年冬から言ってきて、その言葉にみんなも応えてくれて、練習を取り組んできていました。大阪桐蔭と練習試合できることは、みんなが気持ちが舞い上がっていました。前日に履正社と練習試合やって、その前までチームとしてまとまってなかったのですが、履正社とやる前にチームが一つになって、結果は1点差で負けたんですけど、そこでチームが一つになって「これ明日大阪桐蔭いけるんじゃないかな」という気持ちになって、一つになった感じがあって勝てました。

 1つの練習試合かもしれないが、中川、蛭間の言葉から分かるように両チームの転換点を迎える試合だったことは間違いない。続いては夏の直接対決について振り返っていきたい。

(記事:河嶋 宗一

【vol.2を読む】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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