佛教大vs近畿大工学部

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佛教大先発・木村光

　　関西五連盟第一代表の佛教大が鮮やかな完封リレーで中国・四国三連盟代表の近大工学部を下した。

　佛教大は1回表、いきなり連続四球と制球が定まらない近大工学部先発の沖田伊吹（2年・三次）の立ち上がりを攻めて、一死二、三塁のチャンスを作ると、4番・沢嵜一輝（2年・坂井）が初球にセーフティスクイズを決めて1点を先制。さらに二死三塁から5番・森本翔大（4年・天理）が左前適時打を放ち、幸先良く2点のリードを奪った。

　佛教大の先発はエースの木村光（3年・奈良大附）。「持ち味の真っすぐがあまり良くなかった」とはいうものの、この日は最速で145キロを計測。「スライダーがコントロールできていたので、その面で試合を作ることができたと思います」と変化球を上手く織り交ぜながら3回までパーフェクトピッチングを見せた。

　追加点が欲しい佛教大は5回表、四球と失策で一死一、二塁とすると、2番・田中颯翔（3年・天理）がライト線に2点適時三塁打を放ち、2点を追加。その後も内野ゴロの間に1点を挙げ、佛教大がリードを5点に広げた。

　援護をもらった木村は4回に初安打を許したが、走者を背負ってからも落ち着いた投球を見せ、8回を投げて2安打1四球11奪三振無失点の好投。侍ジャパン大学代表候補合宿に選出された実力を十分に見せつけた。9回は木村と二枚看板を形成する左のエース・木下隆也（4年）がキッチリ無失点に抑え、5対0の完勝。12年ぶりに明治神宮大会での勝利を飾った。

　打線は3安打に抑えられながらも効率の良い攻撃で5点を奪った佛教大。「リーグ戦から攻撃では結果が出ずに少ない点数を守りでしっかりしてという形で勝たせてもらってきたので、ヒット数の割に点数が取れたというのはビックリしています」と田原完行監督も感心しきりだった。

　木村や森本など2年前に全日本大学野球選手権大会の準優勝を知る選手が複数名残っている佛教大。ハイレベルな投手陣と確かな経験を武器に今大会でも躍進を見せてくれそうだ。

　近大工学部は出鼻をくじかれ、最後まで流れを引き寄せることができなかった。木村と同じく侍ジャパン大学代表候補合宿に選ばれている4番捕手の石伊雄太（3年・近大高専）は3打数3三振に終わり、「真っすぐに手が出ずに追い込まれて、三振という形になってしまって、力を出し切れなかったと思います」と反省。この悔しさを来年に活かすことができるだろうか。

（記事＝馬場 遼）

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近畿大工学部4番・石伊雄太

歓喜する佛教大ベンチ

歓喜する近畿大工学部ベンチ