岡本が打たなければ負ける巨人、優勝争いに生き残れるか
岡本和真内野手
巨人ベンチに重たい空気が漂った。29日に続いて30日も中日に完封負けを喫して5連敗となった。打線はわずか3安打。今季これで完封負けは2戦連続10度目。好調だった打線は、涼しくなってきた秋に、失速してしまった。リーグ3連覇へ、勝負をかけるはずだった9月は、一足先に「寒い9月」となってしまった。
今季を振り返ると、失速ぶりが分かる。
2021年巨人の月別成績（9月30日現在）
3月 2勝1敗2分け
4月 14勝9敗2分け
5月 10勝9敗3分け
6月 12勝7敗3分け
7月 5勝6敗0分け
8月 8勝5敗2分け
9月 6勝14敗5分け
通算 57勝51敗17分け
6月が終わった時点で貯金12。月間の負け越しはなかった。8月終了までも貯金は14あった。それが、9月になると、である。
9月に入って8つも借金。貯金は6に減った。9月に入るまでの半分以下になった。これに、1試合平均得点を重ねてみると、好調だった4月と6月は4点台だったが、8月、9月は3.6得点前後と減ってしまった。完封負けの試合も8月までは4月、6月の月間2度がワーストだったが、この日の中日戦の完封負けで9月は21日広島戦、25日阪神戦、29日中日戦、そして30日中日戦と勝負の9月下旬で、今季月間ワーストの4度の完封負けを喫した。打てなくなって、勝てなくなった。
今季、496得点中、投手をのぞいた、野手の総打点は452打点だが、その半分以上を、この5人で叩き出している。
岡本 和真内野手（智弁学園出身）106打点
ウィーラー 48打点
丸佳 浩外野手（千葉経大付出身）44打点
坂本 勇人内野手（光星学院出身）40打点
大城 卓三捕手（東海大相模出身）34打点
巨人の打点ランキング上位5人の打点合計は232打点。岡本の「貢献」ぶりがよく分かる。中心打者なので当たり前だが、あまりにも「頼りにしすぎている」のではないか。この1人に責任を背負わせているようなチーム事情のなか、岡本はよく100打点を稼いできたともいえる。周囲がもっと打って、岡本にかかる重圧をもっと減らせば、もっと打点を稼ぐかもしれない。
ここにきて5連敗を喫したが、完封負けは3度で岡本のここ5戦の打点は0。ここ5試合の5得点中、チーム4打点の内訳は吉川1、松原2、亀井1。巨人は岡本が打たなければ負けるチームなのか。
