西武高橋、日本ハム上沢が奮闘中・関東地区代表出身のOB
松坂大輔(横浜出身)
夏の甲子園が2年ぶりに開催される。全49校が深紅の大優勝旗を目指して熱戦を繰り広げることだろう。すでに決定している全49校からは多くのNPBプレーヤーが誕生している。そのなかで代表的なOBや今シーズンも現役でプレーしている選手はどれだけいるのだろうか。各地区ごとに振り返ってみたい。
関東地区(東京除く)は鹿島学園(茨城)、作新学院(栃木)、前橋育英(群馬)、浦和学院(埼玉)、専大松戸(千葉)、横浜(神奈川)、日本航空(山梨)の8校が代表となった。このなかで鹿島学園(茨城)と日本航空(山梨)を除く6校のOBが今シーズンもNPBで現役プレーヤーとして活躍している。
作新学院は江川卓(巨人)をはじめ落合英二(中日)、岡田幸文(ロッテ)といった選手たちを輩出してきた。現役では今井達也(西武)、石井一成(日本ハム)、入江大生(DeNA)の3人がプレー。なかでも今井は先発ローテーションに入りリーグ4位となる防御率2.60と安定した投球が続いている。
前橋育英は2013年の甲子園優勝投手でもある高橋光成(西武)が、エース格としてここまでリーグ3位タイの8勝。自身2度目の2桁勝利まで2勝に迫っている。神戸文也(オリックス)はここまで一軍登板がない。ルーキーの小川龍成(ロッテ)はオープン戦で故障し前半戦で一軍出場はなかった。フレッシュオールスターではフェンス直撃の適時三塁打を放ち大きなアピール。後半戦での一軍昇格を狙う。
森士監督の退任が発表された浦和学院は4人の投手が現役でプレーしている。そのなかで注目を集めるのが、高卒3年目の渡邊勇太朗(西武)。前半戦で8試合に登板し0勝2敗、防御率4.15とまだ結果は出ていない。しかし、8月5日の日本ハム戦(二軍)では5回無失点、5奪三振と好投。先発ローテーション入りへ向けて大きなアピールを行った。後半戦で先発のチャンスが巡ってきそうだ。
専大松戸は上沢直之(日本ハム)が15試合中12試合でQSを達成し6勝を挙げた。2018年以来、3年ぶりとなる2桁勝利を目指す。高卒6年目の渡邉大樹(ヤクルト)は一軍に定着した。レギュラーを獲得するには至っていないものの、守備・走塁面で大きく貢献。途中出場で存在感を発揮している。高卒2年目の横山陸人(ロッテ)も一軍デビューを果たし9試合に登板。防御率5点台と苦しんでいるが、奪三振率10.38と三振を奪う力はある。後半戦で再び一軍を目指す。
数多くのOBがいる横浜は松坂大輔(西武)が、今シーズン限りでの現役引退を発表した。ここまで一軍、二軍ともに公式戦での登板がなくリハビリが続いている。一方で柳裕也(中日)が7勝、涌井秀章(楽天)は6勝と結果を残した。野手陣では筒香嘉智(ドジャース傘下)が苦しんでいる。現在はメジャー40人枠を外れマイナーリーグが主戦場。MLB昇格を目指している。
国内では近藤健介(日本ハム)が東京オリンピックの日本代表としてプレー。その他では近藤と同じ日本ハムでプレーする淺間大基や万波中正とが頭角を表しつつある。後半戦では外野のレギュラー争いがさらに激しくなりそうだ。
【関東地区の出場校OB】
※2021年シーズンNPBもしくはMLB所属
・鹿島学園(茨城)
なし
・作新学院(栃木)
今井達也(作新学院→2016年西武1位)
石井一成(作新学院→早稲田大→2016年日本ハム2位)
入江大生(作新学院→明治大→2020年DeNA1位)
・前橋育英(群馬)
高橋光成(前橋育英→2014年西武1位)
神戸文也(前橋育英→立正大→2016年オリックス育成3位)※現在は支配下
小川龍成(前橋育英→國學院大→2020年ロッテ3位)
・浦和学院(埼玉)
大竹寛(浦和学院→2001年広島1巡)※現在は巨人
榊原翼(浦和学院→2016年オリックス育成2位)※現在は支配下
渡邉勇太朗(浦和学院→2018年西武2位)
小島和哉(浦和学院→早稲田大→2018年ロッテ3位)
・専大松戸(千葉)
上沢直之(専大松戸→2011年日本ハム6位)
原嵩(専大松戸→2015年ロッテ5位)※現在は育成
渡邉大樹(専大松戸→2015年ヤクルト6位)
高橋礼(専大松戸→専修大→2017年ソフトバンク2位)
横山陸人(専大松戸→2019年ロッテ4位)
・横浜(神奈川)
松坂大輔(横浜→1998年西武1位)
涌井秀章(横浜→2004年西武1巡)
福田永将(横浜→2006年高・中日3巡)
高濱卓也(横浜→2007年高・阪神1巡)※現在はロッテ
筒香嘉智(横浜→2009年横浜1位)※現在はドジャース傘下
近藤健介(横浜→2011年日本ハム4位)
下水流昂(横浜→青山学院大→ホンダ→2012年広島4位)※現在は楽天
倉本寿彦(横浜→創価大→日本新薬→2014年DeNA3位)
淺間大基(横浜→2014年日本ハム3位)
髙濱祐仁(横浜→2014年日本ハム7位)
柳裕也(横浜→明治大→2016年中日1位)
藤平尚真(横浜→2016年楽天1位)
増田珠(横浜→2017年ソフトバンク3位)
万波中正(横浜→2018年日本ハム4位)
渡辺佳明(横浜→明治大→2018年楽天6位)
及川雅貴(横浜→2019年阪神3位)
樋口龍之介(横浜→立正大→BC新潟→2019年日本ハム育成2位)※現在は支配下
伊藤将司(横浜→国際武道大→JR東日本→2020年阪神2位)
松本隆之介(横浜→2020年DeNA3位)
石川達也(横浜→法政大→2020年DeNA育成1位)
木下幹也(横浜→2020年巨人育成4位)
・日本航空(山梨)
なし
(文=勝田 聡)