試合レポート

西城陽vs京都共栄

2021.07.21

初回に6点を奪った西城陽が逃げ切る

 序盤に大量点を奪った西城陽京都共栄に競り勝った。

 京都共栄はエースの遠藤 翔海(3年)を先発マウンドに送るが、「ちょっとバテていた」(神前 俊彦監督)と立ち上がりから西城陽打線に打ち込まれる。味方の失策などで2点を先制されると、一死満塁から7番・竹内 聡太(1年)に走者一掃となる中越え3点適時三塁打を浴びた。その後、内野ゴロの間にもう1点取られ、初回から6失点と重すぎるビハインドを背負う。

 だが、これで乱れたのは京都共栄ではなく、西城陽だった。「6点取ってちょっと気を抜いたんじゃないかな」(染田 賢作監督)といきなりの大量リードがチームに心の隙を生む。1回裏には先頭打者を遊撃手の一塁悪送球で二塁への進塁を許すと、立て続けにバッテリーミスを犯し、1点を返される。その後もじわじわと点差を縮められ、4回裏には8対5と3点差になっていた。

 西城陽は4回裏途中から先発の藤川 泰斗(2年)から「大会に入って一番信頼できる投手に成長した」(染田監督)という背番号10で主将の井上 周汰(3年)に継投。ここで崩れたらチームも崩れてしまうと思った」と相手の反撃に遭いながらも一度も追いつかせることなく、粘り強い投球を見せた。

 京都共栄も遠藤が2回以降は何とか踏ん張り、岩本 剛生(2年)、白勺 滉貴(3年)と投手を繋いで、逆転のチャンスをうかがう。しかし、「8回と9回は気持ちを前面に出しました」という井上の前に追いつくまでは至らず、惜しくも敗退となった。

 「センターラインがバタバタしていました。何とか勝てましたけど、このままでは厳しい」と話した染田監督。課題の残る試合となったが、反省も勝ったからこそできるもの。これからの戦いは一つのミスが命取りになる。次戦までに修正して、引き締まった試合を見せてほしい。

(文:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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