高校生ドラフト期待度ランキング50!10位〜1位 1位はアスリートとしての魅力を評価
高校野球ドットコム人気企画の高校生期待度ランキング。夏の地方大会が全国的に開幕する10日を前に注目選手をランキング付けしていきたい。最終回は10位から1位までを紹介する。高校野球ドットコム編集部が期待する今年のトップ10の選手の顔ぶれは…
高校生ドラフト期待度ランキング50!
50位~41位 全国レベルの左腕が続々ランクイン
40位〜31位 全国レベルのスラッガー、好投手、剛腕揃い
30位〜21位 逸材捕手、関東地区の好右腕など
20位〜11位 全国レベルの剛腕、左腕、スラッガーが続々ランクイン
10位〜1位 1位はアスリートとしての魅力を評価
10位~6位
田村俊介(愛工大名電)、木村大成(北海)、石田隼都(東海大相模)、羽田慎之介(八王子)、有薗直輝(千葉学芸)
10位 石田 隼都(東海大相模)
今年のセンバツ甲子園優勝投手。最速146キロの速球は角度があり、独特の曲がりを見せるチェンジアップは高確率で空振りが奪える。さらにタイミングが取りにくく、モーションが速い投球フォーム。技術力の高さは一級品。愛知高野連主催の招待試合では無失点の投球。まだスピードは抑えめだが、狙い球を外す投球術は非凡なものがあった。春夏連覇へ、さらにレベルアップした姿を示す。
9位 羽田 慎之介(八王子)
まさに未完の大器。八王子の安藤徳明監督も「完成するのはまだ先」と話すように、時間がかかる投手であることは間違いない。ただ豪快な投球とは裏腹に、間違いなく進化するだろうと思わせるクレバーさがある。191センチの長身から繰り出す最速149キロのストレートは今年の高校生ではナンバーワンと思わせるほどの威力があり、それだけではなくスライダー、チェンジアップ、フォークと球種も豊富で、日によって軸となる変化球を決め、精度が悪ければ、封印して、限られた球種で抑えてしまう。まずは夏の投球は春と比べてどれだけレベルアップしているか注目したい。
8位 田村 俊介(愛工大名電)
明徳義塾中時代から関戸 康介(大阪桐蔭)とともに騒がれたスラッガー。投手としても左腕から140キロ超の速球を投げ込むが、やはり将来性は打者だろう。ヘッドスピードの速いスイングから次々と長打を量産し、対応力も高く、技術的な完成度は超高校級。左投げながら、三塁手もこなす器用さもあり、野球選手としてピカイチの素質がある。
7位 木村 大成(北海)
左スリークォーターから投げ込む最速148キロの速球、曲がりが鋭いスライダーの切れ味は脅威。支部予選でも好投を見せ、センバツからさらに力強くなった姿を見せた。速球のスピード、威力、コントロール、変化球の精度、ポテンシャル。総合的に見て、今年のナンバーワン左腕として評価される投手だろう。
6位 有薗 直輝(千葉学芸)
投手王国・千葉に、高校生ナンバーワンスラッガーが現れた。千葉県旭市出身。千葉の野球関係者の誰もが「普通ならば県外にいく選手」と評するポテンシャルを持った逸材は、同僚の板倉 颯汰の誘いと、自宅で通える学校でプレーしたいと希望していたため、東金市の千葉学芸に進学。1年春から順調に本塁打を重ね、今年の大会直前の練習試合で通算70本塁打に達した。投げては最速148キロをマークする強肩を武器に三塁守備のレベルも高く、連日、スカウトが視察するという。穏やかなキャラクターも愛されるポイント。初の甲子園出場を目指し投打で躍動する。
ついに5位~1位。この5人に関しては、評価するポイントによっては、ナンバーワンが分かれるかと思う。それだけ実力差がない。今回、高校野球ドットコムでは野球選手としての総合力を評価して、選出させていただいた。
5位~1位
畔柳亨丞(中京大中京)、風間 球打(ノースアジア大明桜)、森木大智(高知)、小園健太(市立和歌山)、達孝太(天理)
5位 畔柳 亨丞(中京大中京)
センバツで2完封を果たした151キロ右腕。センバツ準決勝で負傷降板はあったものの、6月13日の東海大相模との練習試合で3回無失点、3奪三振。平均球速は約147キロと圧巻の平均球速をマークした。ネット裏から見ると、伸び上がるような速球は強烈なインパクトがあった。スライダーなど変化球でストライクも取れて完成度も高い。あとは畔柳が課題とする「平均球速145キロ~後半」の速球を先発でも継続して投げられて、ゲームメイクもできれば、評価は高まるだろう。
4位 達 孝太(天理)
193センチの長身から140キロ後半の速球、フォーク、カットボールと多彩な変化球を操る大型右腕。センバツで対戦した宮崎商、健大高崎、仙台育英はいずれも全国レベルの強打のチーム。その相手たちに26回を投げ、自責点3と評価を高めた。あとは1つ1つのボールの精度を高めて、世代ナンバーワン右腕の座を狙う。
3位 小園 健太(市立和歌山)
貝塚ヤング時代は全国制覇を経験。1年生から公式戦のマウンドを経験し、順調に成長を遂げてきた。140キロ後半の速球、スライダー、カットボール、ツーシームといった多彩な変化球を操る投球は高校生と思えない完成度の高さがあり、接戦でも持ちこたえるメンタルの強さも魅力。二季連続の甲子園出場へ。宿敵・智辯和歌山を圧倒する投球術を身につける。
2位 風間 球打(明桜)
この投手が他の超高校級投手と比較して何が秀でているかといえば、圧力を感じるストレートだといえる。真っ向から振り下ろす常時140キロ後半~150キロ前半の速球は高校生では、なかなかお目にかかれない球威があり、変化球の精度も高い。将来、球界を背負って立つ器を持った投手だろう。
1位 森木 大智(高知)
四国大会の投打で躍動する姿を見て、今回のランキング1位を決めた。中学時代から大きく騒がれ、紆余曲折はあったが、高回転の140キロ後半のストレート、切れのあるスライダーは絶品。球速面は目に見えて大きく変化したわけではないが、ボールの質、投球術は大きく進化している。森木が他の4人にはないものが、野球選手としての総合力の高さだ。
特に四国大会決勝・明徳義塾戦ではそれが顕著に発揮された。決勝3ランを打つだけではなく、レフトでスタメン出場していた森木は明徳義塾1の俊足である8番・井上 航輝の左翼フェンス直撃の当たりを全く無駄なく処理し、鉄砲肩で走者を二塁で刺すファインプレーも見せた。
投球だけではなく、打撃、守備で魅了する森木は、やはり今年のナンバーワンプレイヤーとして評価したい。
以上が夏の大会前のランキング50である。50位に選ばれなかった選手の中にも魅力的な選手が多く、夏にかけて無名の選手が急浮上するのが夏の大会の良いところ。勝ち負けは決まっても多くの選手が怪我なく、持てる力を発揮して終わることを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)