都立文京vs日体大荏原
都立文京、横手投げ左腕・林の好投に応え、押し出し四球で逆転勝ち
都立文京、日体大荏原という、都立と私立の強豪同士の対戦。都立文京は林 将吾、日体大荏原は宇藤 武蔵という左腕投手同士の対決。ただし宇藤は本格派であるのに対し、林は横手投げとタイプは違う。林はもともと一塁手で高校に入って投手になり、体が横回転ということで、1年生の冬に横手投げにしたという。
左腕投手にとって立ち上がりは重要なポイントだが、1回表日体大荏原は内野安打と四球で一死一、二塁としたが、4番・石黒 大志は遊ゴロの併殺に倒れた、その裏都立文京は1番・板倉 勇一が四球で出塁したが、2番・鍛冶 亮太の時に三振ゲッツーになり得点できない。
ここから投手戦が始まるが、3回表に日体大荏原は敵失で二塁に進んだ9番・菊池 聖を1番・小穴 涼太郎が左前安打で還し1点を先制した。
試合の中盤になると雨が降り出し、5回が終わったところで試合は45分中断する。この中断が試合の流れを変えた。再開後の6回表の日体大荏原は三者凡退に終わる。その裏文京の攻撃で、この回先頭の4番・岩田 真門はストレートの四球で出塁する。ここで日体大荏原は宇藤に代えて、投手陣の柱の1人である右腕の石川 幸希を投入する。しかし石川は安打1本と四球による走者を出して満塁になり、8番・内堀 碧大の右前安打で文京は同点に追いついた。さらに二死満塁から1番・板倉が四球を選び押し出し。逆転に成功した。
日体大荏原は文京・林を攻略するため打席で立つ位置を変えるなどしたが、なかなか糸口を見いだせない。それでも7回表の攻撃で、死球と遊失で一死一、三塁のチャンスを作る。3番・小作 将吾の初球にスクイズ。転がったのを確認して走るセーフティスクイズだが、三塁走者のスタートが遅れ、文京の投手・林が落ち着いでさばき本塁で刺された。「スクイズ処理の練習はしていました。練習より、ランナーが後ろにいることが分かったので、落ち着いてプレーできました」と、林は言う。
林は9回を完投して被安打5、失点1という安定した投球で勝利に貢献した。
敗れた日体大荏原は4月から元監督であった本橋 慶彦氏が監督に復帰したが、「体調不良で、代理監督を置くことになりました。大会まで1カ月ちょっとの状況で監督が不在になり、子供たちが不安な状況になりました」と、もともとコーチで、今回は監督として指揮を執った依田 和明氏は言う。それでなくても緊急事態宣言などで大変なうえに、臨時監督の就任など、落ち着かない状況が続いた。それでも、伝統校の存在感は示した。
一方文京のベテラン・梨本 浩司監督は、「組み合わせが決まった時から日体大荏原さんは力があると思っていました。林君は下級生の時からよく練習をする子で、安心してみていました」と語る。文京は強豪を下し、快調なスタートを切った。
文=大島 裕史
2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
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