Column

120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者

2021.02.24

120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム
120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム

甲府西のスタメン・ベンチ入り情報

 県内唯一の授業1コマが65分となっており、IB認定校にもなっている甲府西。創立は120年という歴史と伝統がある甲府西はプロ野球選手・奥山皓太を輩出するなど、数多くの卒業生を輩出している。

120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム

 現在は1年生13名、2年生5名と2学年で18名という甲府西。考える野球を信条にして常に練習を重ねるが、チームを牽引してきたのは長田千暖鈴木崇之の2人だ。

 2人は攻撃ではコンスタントにヒットを重ね、守備でもレベルの高いプレーを見せてきた。ただ1年生の長田は175センチほどだが、一冬超えて体幹が鍛えられてきたことで腕をきっちりと振れるだけの安定感が出てきた。

 中学時代は敷島中に所属し県大会優勝を経験。選抜チーム・山梨クラブに呼ばれ、全国大会も経験しており、すでに実績は十分だ。

120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム

 1年間はコンディションを考慮して投手ではなく、野手としての活躍だったが、2年生から投手として活躍できるように冬場の間に準備を重ねてきた。指揮官の長田監督も期待を寄せる注目サウスポーである。

 一方の鈴木は1年生の夏から公式戦に出ている逸材。鈴木も軟式出身で、長田ともに山梨クラブに選ばれ、全国の舞台を経験。さらには軟式のU15にも選ばれるなど長田以上に経験も知識も兼ね備えた選手である。

 プレースタイルも走攻守とバランスがいいが、なかでも一歩目からスピードに乗れる走力が光る鈴木。「数少ない走塁を任せられる選手です」と長田監督からは全幅の信頼が寄せられている。

 長田、鈴木は春以降も活躍が期待されるが、加えて竹山亮平宮崎陸渡の2人の台頭も期待されている。



120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム

■身体づくりのための昼寝時間

 秋は2回戦・甲府工に0対7で敗れた。「圧倒的な力に抑え込まれました」と選手たちに話を聞くと口々に悔しさを滲ませていた。

 それは長田監督も同じで、「戦えると思いましたが、やられてしまいました」と一言。その上で冬場の課題は明確になっていた。
 「相手投手は130キロ中盤くらいでしたが、そのレベルを攻略するための守備や走力が大事になると思っています」

120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム

 悔しい敗戦を糧に春での巻き返しを誓う甲府西だが、昨年の冬場から面白い取り組みを始めた。それは昼寝を挟むことだ。

 1日練習の時だけだが、昼食と昼寝を合わせて1時間の休憩を入れるようにしているとのこと。これは3年目の取り組みになるが、「今の3年生はこれのおかげで身体が大きくなったんです」と年々手ごたえを感じているところだ。

 また甲府西ではランメニューという形で、単純に走ることはしない。「単純に走るだけでは時間がもったいない」という長田監督の考えで、1日練習の際はアップの代わりにノックを1時間程度行い、それからキャッチボールや基礎練習と移る。

120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム

 平日でもノックと基礎練習でアップを済ませ、最後はスイングをするといった形でメニューを組んでおり、「とにかく野球の動きの中で走力・筋力を上げたい」という信念を貫いている。

 結果に直結する練習やトレーニング、休憩をする。この軸をもって甲府西はさらなるレベルアップを続けている。今年は1年生が多く、夏までは練習ができなかった分、得点力向上に力を入れて、秋までは準備してきた。

 この冬は一転して守備力を鍛えて土台をきちんと準備してきた。春以降、その成果を発揮できるか注目だ。

(文=田中 裕毅

120年の伝統校・甲府西(山梨)にいた2人の全国経験者 | 高校野球ドットコム
今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!