Interview

山田健太(大阪桐蔭-立教大)の気持ちを掻き立てる根尾、藤原らの存在

2020.12.23

 現在の大学2年生野手で最もスケールがあり、実績がある野手といえば13633だろう。大阪桐蔭時代、根尾選手、藤原選手とともに春夏連覇を経験。現在、39試合 131打数40安打 5本塁打16打点 打率.305と東京六大学に進んだ2年生野手の中で最も数字を残しており、100安打到達可能性が高い選手といわれる。

 そしてベストナインは一塁手、二塁手で一度ずつと、大阪桐蔭の1学年の先輩である慶応大の主将・福井 章吾も「本当にいい選手で、僕は六大学野球で良い野手を挙げるのならば、3本の指に入る選手。取り組も熱心で真面目で良い子なのです。どこをとっても素晴らしい選手です」と絶賛。また山田について華のある野手だと評価する声が多い。

 そんな山田の2020年を振り返る。

苦しいシーズンだけど学べることはあった

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山田 健太(大阪桐蔭-立教大)

 昨秋のリーグ戦では、45打数15安打、打率.333と着実に結果を残した山田。1年冬はさらに長打力をつけるべく、取り組んで、2020年のシーズンに臨もうとしたが、コロナ禍により、長期間の自粛に入り、調整不足で真夏に行われた春季リーグ戦に臨んだ。だが、5試合 16打数4安打1本塁打1打点と苦しい結果に終わった。

 「春に新しいことをやっていて駄目でした。5試合だけでしたけど、春うまく行かなかったことを踏まえて、そんなに大きくは変えなかったですけど、短い期間を有効に使うことができました。」
秋のリーグ戦が始まり、山田選手は9月26日の明治大1回戦で本塁打を放つ上々の滑り出し。

 「結果として出たのは良かったんですけど、そこまで満足いくホームランではなかったと思います」
 言葉の通り、なかなか調子が上がらず、一発が出ない、2発目は10月25日の早稲田大戦。大阪桐蔭の先輩・徳山 壮磨投手から本塁打を放つ。

 「徳山さんとは高校の時から紅白戦のときに練習試合をしてしましたが、ホームランを打てたことは素直に嬉しかったです。徳山さんはまっすぐが速い投手なので、まっすぐの割合が高かったので、その球を振りに行こうと思っていました」
 こうして秋のリーグ戦では、2本塁打9打点、打率.237とリーグ戦を終えました。打率3割を超えることができず、山田にとっては満足行く成績ではなかった。

 かなり苦しいシーズンではあったが、逆に成長した部分はあるという。
 「間違いなくそれは大きくあって、引き出しというのは去年に比べて断然に増えました。来年以降も今年のことを生かしていければと思いますので、そこは良かったと思います」

[page_break:東京六大学通算100安打を目指していきたい]

東京六大学通算100安打を目指していきたい

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山田 健太(大阪桐蔭-立教大)

 また今年の東京六大学は早稲田大の早川 隆久木更津総合出身)、慶応大の木澤 尚文慶應義塾出身)、法政大の鈴木 昭汰常総学院出身)、明治大の入江(作新学院出身)と4人のエースがドラフト1位指名となった。彼ら以外にも東京六大学の投手はハイレベル。無策で試合には迎えない。配球、球種を必ず研究し、打席に立った。

 秋のシーズンは打率.237に終わったが、1つ1つの打席を大事に積み重ねてきたからこそ、見えてきたものがある。

 「打撃フォームもそうですし、もっと身体の根本的な使い方を見直さないといけないと思いました。今まで以上に基礎のトレーニング、食事にも気を配っています。食事についてはどういう栄養価になっているのか、そこまで気にしています」

 そして日々のトレーニング、生活をストイックに打ち込めるのは先にプロ入りした根尾 昂(中日ドラゴンズ)ら4人の同級生の存在がある。
 「やはり、結果というのは、目にしていますし、彼らが活躍することは自分の中で刺激になっているので、自分もあそこ(プロ)に行くんだという気持ちを持って毎日の練習に取り組ませているので、良い刺激になっています」

 また、現在40安打の山田が目指しているのは東京六大学通算100安打だ。
 「100安打という目標を掲げていて、残りシーズンから考えると、1シーズン15安打ペースを打たないと達成できないので、この目標は簡単なことではないですけど、それを目指して取り組んでいるのは確かです」

 最後に決意を語った。
 「自分の中で満足いく成績を残せていないので、その悔しさを忘れず、この冬に取り組んだことをしっかりと出せる準備をしていきたいです」

 2021年。山田は世代をリードする実績を残すことができるか大いに注目だ。

(記事=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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