News

野手は掛布を輩出も投手は苦しむ…阪神のドラフト下位指名組

2020.10.02

野手は掛布を輩出も投手は苦しむ…阪神のドラフト下位指名組 | 高校野球ドットコム
みごとに支配下復帰を果たした原口 文仁

 ペナントレースも残り40試合を切った。優勝争い、順位争いだけでなく個人タイトル争いにも注目が集まってくる。

 セ・リーグの打率ランキングを見ると佐野恵太(DeNA)がトップを走り、村上宗隆(ヤクルト)らと争っている。その佐野は2016年ドラフト9位という下位指名だった。アマチュア時代の低評価を覆し、プロの世界でタイトルを獲得できるか注目が集まっている。

 さてこんな佐野のように、ドラフト下位指名から躍進を遂げた選手は多くいる。各球団(前身球団含む)のドラフト下位指名(6位以下/育成を含む)から、想像以上の成績を残した選手を振り返ってみたい。

 阪神においてドラフト下位指名からの躍進は野手が多い。その筆頭格が掛布雅之習志野高/1973年6位)だろう。掛布は1年目から83試合に出場し3本塁打を放つ活躍を見せ、2年目には早くも2桁本塁打を記録した。

 3年目には初めて規定打席に到達し、27本塁打を放ち確固たる主軸に成長する。以降、3度の本塁打王を獲得し、1985年には打率.300、40本塁打、108打点の成績でチーム初の日本一に大きく貢献した「ミスタータイガース」である。

 代打起用の多かった川藤幸三若狭高/1967年9位)や藤本敦士(デュプロ/2000年7位)もそうだ。藤本は7位指名という低評価だったものの、1年目から75試合に出場し、3年目には規定打席に到達し打率.301と結果を残す。その後も主力としてプレーし国内FA権を獲得するに至ったほど。

 その他では阪神時代に目立った成績はないものの、人的補償で広島に移籍してから頭角を現した赤松真人(立命館大/2004年6巡目)も6巡目指名からの入団だった。

 現役選手では原口文仁帝京高/2009年6位)が下位指名組になる。故障もあり、育成契約の時期もあったがみごとに支配下復帰を果たした。

 一方の投手陣を見ると、ドラフト下位指名から先発ローテーション投手や勝ちパターンに名を連ねた選手はほとんどいない。近年になって島本浩也福知山成美高/2010年育成2位)と岩崎優(国士舘大/2013年6位)が中継ぎで奮闘しているのが目立つ程度である。

 このように掛布というレジェンドを輩出しているものの、阪神のドラフト下位指名から主力となった選手は多くない。現在一軍で活躍する岩崎や島本のような選手が、数多く誕生することに期待がかかる。

【阪神ドラフト6位以下の主な選手】
※前身球団含む
※育成指名含む

川藤幸三若狭高/1967年9位)
掛布雅之習志野高/1973年6位)
藤本敦士(デュプロ/2000年7位)
赤松真人(立命館大/2004年6巡目)
原口文仁帝京高/2009年6位)
島本浩也福知山成美高/2010年育成2位)
岩崎優(国士舘大/2013年6位)

(文=勝田 聡

関連記事
河野 竜生(JFE西日本) 北海道日本ハムファイターズドラフト1位として 「想い」を持って北の大地へ降り立つ!
第79回 社会人野球屈指のスラッガー・今川優馬(JFE東日本)の原点。高校時代の恩師の視点から今川の成長を語る
今年の近本枠を狙うJFE西日本・三好大倫(三本松)の強み

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.16

【大阪】17日に抽選会!打倒・大阪桐蔭なるか、大阪学院大高や興國などはもちろん、ノーシードの履正社の対戦相手も注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.16

【東北】17日に準決勝!近年強さが目立つ青森勢か、盛岡大附の復活Vなるか<地区大会>

2024.06.16

青学大が中田、藤原のタイムリーで逆転に成功!1点をリードして後半戦へ!【全日本大学選手権決勝】

2024.06.16

大阪工業大の新入生に八戸学院光星の二塁手、敦賀気比、東海大星翔の正捕手など甲子園組や近畿の逸材が入部!

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得