第79回 社会人野球屈指のスラッガー・今川優馬(JFE東日本)の原点。高校時代の恩師の視点から今川の成長を語る 2020年05月18日

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【目次】
[1]ハングリー精神は人一倍強かった
[2]恩師が見た今川の精神的な強さ

 今年の社会人野手のドラフト候補で高い注目度を浴びているのがJFE東日本・今川 優馬東海大四出身)だ。昨年は社会人ベストナインを獲得したスラッガーだが、今川の高校時代、レギュラーではなく、高校通算2本塁打のみに終わった。そんな高校時代について、大脇 英徳監督からの視点から語ってもらった。

ハングリー精神は人一倍強かった



東海大四時代の今川優馬(JFE東日本)

 札幌地区含め全道から逸材が集まる東海大四(現・東海大札幌)。今川自身は全然目立たない選手だったと振り返ったように、2年夏までベンチ外。ただ大脇監督は当時から今川のキャラクターは他の選手に比べても印象に残る選手だった。
 「濃い顔立ちからして印象深い選手です。野球面においてはハングリー精神の強さが目立っていました。なにせ彼は6人兄弟の長男で、責任感がとても強かったです。それがあいつの強さでした。しかも面倒見がいいので、後輩に対しても面倒を見たり、指導はできていましたね。真面目で明るい奴です」
 今の若い方にとっては古い例えかもしれないが、大脇監督は今川のことを、1993年のフジテレビ系列で放送されたドラマ「ひとつ屋根の下」の主役・柏木達也(江口洋介)のようなキャラクターだと評する。今川はドラマのキャラクターと表現できるほど、人情味溢れる選手であるということが理解できる。

 今川は試合出場機会を求め遊撃手から外野手に転向する。大脇監督の目からみても遊撃手・今川は実力があったという。
「しっかりと練習を重ねていけば、試合に出られる可能性を持った選手だと思いました。ただそれでも外野手として出ることを決めたのは、彼の潔いところだと思います」

 2年秋からベンチ入りし、試合に出場するようになったが、当時について今川は「試合出場するためにヒットを多く打つことを考えていました」と振り返るように、まずベンチ入り、そして選手としての居場所を見つけることに必死だった。大脇監督は「あのときは今のような長打力がある選手ではありません。ただ癖のない打撃フォームをしていたので、いろいろなことができる。監督としては使いやすい選手でした」と今川の能力を認めていた。

 そんな今川が高校で大きく成長したのは2年冬だ。その取り組みぶりは大脇監督からしても、目を見張るものがあった。

 「冬場に1000本スイングをやっていた時あるんですが、あいつの打撃は日に日に力強さが出てきていて。『こいつ、こんなに変わるんだ。変わったんだ』と実感した選手の1人です。

 その時に全員に向かって、こう伝えました。『みんなわかるよな。こいつのスイング全然が違うし、手を抜かない。絶対に結果残すよ』と他の選手の良き見本として声をかけていたんですよ。特にバッティングはですね。そんなやつでした」

 今川は打撃の上達心、貪欲さはアマチュア野球選手の中でも、トップクラスといっていい。それを掻き立てさせているのは、ただプロに行きたいという思いだけではなく、こうした努力を認めた大脇監督の存在も見逃せない。
 見ている人は見ている。それもアスリートの行動力につながっているのだ。

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
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  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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