川口vs朝霞西
エース左腕の市田葵がノーヒットノーラン!川口が快勝で初戦を突破
得点を挙げる川口
「自分のやること、丁寧に投げることを意識して、その中で守備にも助けられたことがノーヒットノーランに繋がったと思います。守備のおかげです」
秋季埼玉県高等学校野球大会の南部地区予選1回戦、川口と朝霞西の試合は、先発・市田葵のノーヒットノーランの好投もあり、川口が11対0の快勝で代表決定戦に駒を進めた。
川口は左腕の市田、朝霞西は秋元宥邪の先発で始まったこの試合は、序盤から川口が機動力を絡めた攻撃で流れを掴む。
3回表、川口は一死三塁のチャンスを作ると、9番・兎澤謙吾の内野ゴロの間に三塁ランナーが生還。ランナーはゴロが転がると同時にスタートを切る、「ゴロGO」を見事に決めて、チームに流れを手繰り寄せた。
「ウチは長距離砲の選手はいないので、繋いでいくのがスタイルです。いい攻撃ができました」(川口・鈴木将史監督)
投げては先発の市田が、緩急を使った投球で朝霞西打線を幻惑する。
ストレートに驚くような球威こそないが、沈む緩いボールを低めに丁寧に集め凡打の山を築いていく市田。
川口の鈴木監督も「非常にコントロール良く、テンポよく投げていくのが彼の持ち味。普段通りのピッチングできていた」と口にする丁寧な投球で、気づけば得点どころか安打も0の投球を見せる。
無安打投球については、7回の給水時にチームメイトに教えてもらったことを明かすが、「特に意識はしなかった」と落ち着いた投球を続けた。
ノーヒットノーランの好投を見せた先発・市田葵(川口)
結局、市田は最後まで安打を許さずにノーヒットノーランを達成。
代表決定戦へ弾みをつける戦いで、川口が1回戦を突破した。
「序盤はミスが出たり、徹底事項が出来ていませんでしたが、投手がリズムを作ると同時に野手も打っていくことができました。まずはしっかり県大会に出ることを目標に一戦一戦勝っていければと思います」(川口・北村英斗主将)
次戦では、県内の実力校・西武台と対戦する。どんな戦いを見せるのか注目だ。
一方、敗れた朝霞西だが、前半は秋元の好投もあり僅差で食らいついていたが、後半はミスから大量失点を招いて課題が浮き彫りとなる結果となった。
熊井康二監督は「最悪、最低限、最高のプレーを考え、何が最悪かを意識させてきましたが、試合の後半は全然ダメでした。(課題は守備であることを)これで再確認できました」と話し、悔しい表情を浮かべて試合を振り返った。
また主将の奥山日向も「冬場では守備を中心に練習して、相手と体つきも違ったのでトレーニングもやっていきたい」と話し、オフシーズンに向けて強い決意を語った。
前半の戦いからも、点差ほど力の差は感じられなかった。一冬でどこまで成長するのか注目だ。
(記事=栗崎祐太朗)