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練習会に参加した高田竜星、松村力、加藤優弥、上田 洸太朗と北信越、東海を代表する剛腕4名を徹底分析

2020.08.31

 8月29日と30日、阪神甲子園球場で、阪神甲子園球場で「プロ志望高校生合同練習会」が開催された。77名の選手が自身の武器をアピールした。この練習会はそれまで埋もれていた逸材を見出す意味でも非常に意義のあるイベントであった。また一会場で有名、無名問わず色々なプレーが見られたのはとても良かった。今回は参加選手についてレポートしていきたい。まずは北信越・東海地区の好投手たちからだ。

練習会に参加した高田竜星、松村力、加藤優弥、上田 洸太朗と北信越、東海を代表する剛腕4名を徹底分析 | 高校野球ドットコム
左から加藤優弥、上田 洸太朗、松村力 ※写真は昨秋の取材、今夏の大会より

 髙田 竜星遊学館)投手 右投げ右打ち 174センチ76キロ 
 下級生の時から騒がれていた右の好投手。練習会に参加し、自身の武器をアピールした。

 右スリークォーターから常時130キロ~144キロの直球は角度があり、威力もあり、ドラフト候補と呼ぶのに相応しい威力がある。120キロ後半の縦横のスライダーの切れ味は絶品で、低めで空振りを奪うキレの良さがある。

 何より印象に残ったのは鋭いヘッドスピードから力強い打球を打てること。シート打撃では平安山陽松山聖陵)のストレートをとらえて右中間を破る三塁打を打つなど、いわゆる野球小僧という印象が強く残った。

 フォームの完成度も高く、高速変化球投げられ、1つ1つの取り組みに対する姿勢も良く、マインド面も評価する球団もあれば、NPB入りの可能性も高いのではないだろうか。

 
加藤 優弥金沢龍谷)投手 176センチ78キロ
 高校2年までは右オーバーだったが、2年秋から右サイドにしてからメキメキと球速アップに成功し、今年の7月の練習試合で最速150キロをマークして話題となった剛腕サイドハンド。鋭い腕の振りから繰り出す球威は圧巻。ただ上のステージで活躍するにはいろいろと課題が多いことが分かった、

 練習会の投球を振り返ると、右サイドから常時139キロ~146キロを計測。打者6人相手に平均球速143.23キロと高校生の右サイドとしてはトップクラスの数字で、120キロ後半のスライダーの切れ味も悪くなく、1つ1つのボールの勢いは素晴らしいものがある。ただ外中心の一辺倒の攻めになりやすく、走者を出すと、安定感がなくなるのは石川大会からの課題だ。

  外角中心や、横の軌道が中心の投球パターンで狙い球が絞りやすく、投球の引き出しはまだまだ増やさないといけない。そして走者を出してからのメンタルコントロール、投球術など覚えることはたくさんある。

 この練習会を終えて加藤は「様々な選手のプレーを見ることができ、良い刺激を受けました。実戦では少し力が入ってしまいました。全国の選手を相手に課題を見つけることができました」とコメント。

 球速、スライダーを徹底的に磨き上げたので、あとは駆け引きを学んでいきたい。それが本人が目指すプロでの活躍する条件となる。

松村 力敦賀気比)180センチ85キロ 右投げ右打ち
 敦賀気比では同じくプロ注目のエース・笠島尚樹とともに注目を浴びる大型右腕。昨年から140キロ台の速球を投げ込んでいたが、この1年で大きく伸びた投手ではないだろうか。

(投球内容)
 勢いよく足を挙げて、重心を下げながら右スリークォーター気味から投げ込む松村は常時140キロ~144キロの直球は威力も角度も抜群。しっかりと押し込んで空振りが奪えるため、将来的には150キロも十分狙える投手ではないだろうか。

 120キロ後半のスライダーの切れ味も素晴らしく、ストレートの勢い、変化球の切れ味は一級品。

 福井大会では制球の乱れも見られたが、この試合の投球はほとんど乱れがなく、ストレート、変化球のコンビネーションも素晴らしく、2奪三振1四球の好投で、スカウトたちにアピールした。

上田 洸太朗(享栄)投手 左投げ左打ち 184センチ93キロ

 1年秋から主力投手となり、愛知県内では指折りの逸材として騒がれた本格派左腕。5月の時点で高卒プロ志望を表明した。そんな上田の投球を紹介していきたい。

 濱田達郎愛工大名電ー中日)を思い出すような左スリークォーターから投げ込む直球は常時135キロ~139キロを計測。ストレートの威力はまずまずで、120キロ前半のスライダーのキレも悪くない。ただこれといった威力あるストレートや、変化球はないので、球威勝負だと見劣りしてしまうタイプ。

 名門校のエースで、大阪桐蔭を完封した実績もあり、ストレート、変化球がうまくはまれば抑える実力はあるが、NPBで活躍するには、数段、ストレートの勢い、変化球の引き出しを増やしていくことが必要ではないだろうか。

(記事=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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