試合レポート

成田vs成田北

2020.08.24

成田・尾島監督の次男の本塁打などで5回コールド勝ち!

成田vs成田北 | 高校野球ドットコム
2番セカンド・尾島(成田)

 7月の成田の取材時、尾島監督は新チームのスタートがかなり遅くなるため、チーム作りが難しいと話をしていた。レギュラーチームの練習の傍ら、2年生投手の指導をするなど、少ない時間を活用しながら指導をしていた。そんな新生・成田は8月20日、帝京との練習試合でも大型右腕・植草翔太を攻略して勝利するなど、実力は高い。

 そんな成田は初回から猛攻。一死から2番尾島叶大の安打から始まり4番須合健太郎の適時二塁打、5番佐藤の2点適時打で一気に3点を先制。2回表にも3番飯田の適時打、4番・須合が左中間を破る適時二塁打で2点を追加。二打撃連続で二塁打を放った須合は楽しみな左の強打者だ。スクエアスタンスで構え、小気味なステップで、タイミングを測って。後ろ小さく、前に大きく振るメカニズムで鋭い打球を飛ばす。

 タイミングをとるのが実にうまく、打球の速さ、スイングスピードは成田打線の中を群を抜いており、広角に鋭い打球を飛ばすことができる。自粛期間中に、低いライナーを打つことを心掛ける打撃に転換し、秋の大会でその成果を発揮している。

 大型で動きにも躍動感があり、この秋は県内でも注目選手に挙げられる存在となるだろう。尾島監督は「パンチ力はありますが、確実性はまだこれからです。比較対象は前チームの4番・古谷になりますから、それを超えられるような練習をしてレベルアップしてほしい」と期待を込めている。

 その後も成田は小刻みに点を追加。4回表には1番伊藤海凪の本塁打で1点を追加。伊藤は佐倉シニア出身の強打者で、太ももの太さ、下半身主導の角度を付けた鋭いスイングはスラッガーとしての素質の高さを感じさせる。

 5回表にはスクイズや、犠飛で2点を追加。そして二死から2番・尾島叶大が二打席連続となる2ラン本塁打で10対0と突き放す。2番尾島は体格自体は小さいのだが、インパクトまで無駄のないスイング軌道で打球を飛ばすことができていて、守備も堅実。尾島監督の次男で、兄・一晟さんに続いて成田に進学した。父である監督の指導方針で学びたい思いで入学を決めた選手だ。

 投げては左腕エース・牧太陽が好投。成田シニア時代には東関東選抜にも選出された経験がある左サイド。

 これまで右投手が多い成田では珍しいタイプの投手だ。牧は勢いよく踏み込んで投げて、常時125キロ前後(最速129キロ)ながらストレートには切れがあり、110キロ前後のスライダー、チェンジアップを交えて打たせてとる投球で、無失点の快投。20日の帝京戦で完封勝ちを収めてから背番号1を獲得した左腕で、尾島監督からも「安定感があり、現在の投手陣では最も計算が立つ投手」と評価されている。実際に彼と取材をしていても、口ぶりも冷静で、どういう投球をしたいのかを明確に答えてくれる思考力の高さも魅力だ。この試合でもコントロール、テンポを意識し、安定した投球を展開していた。

 投打ともに戦力がそろった成田。さらに経験値を積み重ね、強力チームへ育つことを期待したい。

(記事=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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