ラストチャンスにかけた最終打席は申告敬遠。東海大菅生の4番・杉崎成はスラッガーとしての大成はこれから
東海大菅生の4番に座った杉崎 成
東海大菅生が2点ビハインドで迎えた9回裏、3番森下 晴貴の2点適時三塁打で同点に追い付き、無死三塁の一打サヨナラの好機に打席には高校通算51本塁打を誇る4番杉崎 成。帝京は8回まで被安打1無失点と好投した田代 涼太に代え、背番号1の柳沼 勇輝を送る。
今大会思うような結果が出せていない杉崎。これまでを払拭するラストチャンスであろう打席で帝京バッテリーは申告敬遠。続く、西東京大会決勝でサヨナラ打を放った5番堀町 沖永も連続申告敬遠となるも、6番臼井 直生が中前に運びサヨナラでこの夏の東京を制した。
西東京大会決勝・佼成学園戦では同点に追いついた延長11回、無死一塁の長打でサヨナラの場面で、送りバントのサインが出た。「1点取れば良い場面だったので、バントのサインは(戦術的に)普通ですが、本調子であれば、練習試合でもあのような場面でバントのサインは出されないので、自分が決めたかったです」。
前戦での悔しい思いを最後の試合で晴らすべく挑んだ東西決戦だったが、杉崎のバットから快音が響くことはなかった。
それでも「自分がずっと4番でなかなか結果が出なくても、3番の森下、5番の堀町が助けてくれた」と佼成学園戦に次ぐ大一番での逆転を可能にした東海大菅生打線の頼もしさを実感した。
逆転の東海大菅生を印象付けた今大会の結果には、「自分たちはどこよりも厳しいことをしているので」と”菅生の4番”に君臨した杉崎の表情からは誇りがみなぎっていた。
「この大会は個人的には悔しい結果に終わりました。大学4年間で良い経験を積んでプロに行きたいです」と、チームとしてこの上ない成績を収めるも、ここで完結しないスラッガーとしての杉崎成の野球人生に向け、この悔しさを胸に刻んだ。
(記事=藤木 拓弥)
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