2021年世代の「一好投手」から「屈指の投手」へ格上げ。最速152キロ右腕・小園健太(市立和歌山)の凄みのある投球
最速152キロ右腕・小園健太(市立和歌山)
智辯和歌山vs市立和歌山という2019年選抜8強同士の対決は、超高校級の才能がぶつかりあう対決だった。市立和歌山はここ数年で全国レベルの才能を持った選手が多く育ってきており、それに比例するように、試合のグレードも高まっている。
その中で来年のドラフト上位候補になりうる逸材が登場した。その名が小園健太。貝塚ヤング時代では全国優勝の経験があり、主砲だった松川虎生とともに、市立和歌山の門を叩いた逸材は今年、最速152キロを計測している。
実際に智辯和歌山戦で登板した小園のストレートは、140キロ中盤は出ていそうなストレート。高校2年生の段階では文句なしの球威である。
ストレート以上に目を惹いたのが変化球の精度の高さだ。スライダー、カットボール、チェンジアップ、ツーシームと横系統の変化にかなり自信を持っており、特にカットボールは右打者の外角だけではなく、右打者の内角へ投げ込むフロントドアを使っており、投球の引き出しはかなり広い。
投球フォームの完成度も非常に高い。左足にしっかりと体重を乗せ、左腕のグラブを斜めに伸ばして、開きを抑え、そこから内回りの旋回で右ひじを挙げていき、リリースに入るまでの流れが実にスムーズ。
4回1失点で降板。その後、チームは逆転を許したが、和歌山最強とも言っていい智辯和歌山を抑える実力は十分にあることを示した。秋以降も死闘を繰り広げることになりそうだが、世代トップクラスの投手として秋以降も多数のスカウト、メディアから注目される逸材になるのではないだろうか。
2021年度は投手豊作といわれている世代で、小園もその世代の好投手という位置付けだったが、この夏の成長と公式戦のアピールにより、世代トップクラスまで格上げされたのではないだろうか。