明治大、JR東日本、花咲徳栄に期待がかかる連続ドラフト指名記録

左から太田龍、森下暢仁、韮沢雄也

　今秋ドラフトで注目されている記録がある。それは、同一アマチュアチームからの連続ドラフト指名記録だ。昨秋ドラフトで明治大から森下暢仁、伊勢大夢が指名を受け、それまで早稲田大学が保持していた9年連続（2008～2016年）を抜き、10年連続指名でトップに立った。今年、この記録の更新はなるのか。社会人、高校での連続指名継続中のチームと併せて見ていこう。

　2010～2019年の10年間で、明治大からドラフト指名された選手は以下の通り。

2010年
荒木郁也（阪神・5位）

2011年
野村祐輔（広島東洋・1位）、島内宏明（東北楽天・6位）、柴田章吾（育成3位・巨人）

2012年
上本崇司（広島東洋・3位）

2013年
岡大海（北海道日本ハム・3位）

2014年
山崎福也（オリックス・1位）

2015年
高山俊（阪神・1位）、上原健太（北海道日本ハム・1位）、坂本誠志郎（阪神・2位）

2016年
柳裕也（中日・1位）、星知弥（東京ヤクルト・2位）、佐野恵太（横浜DeNA・9位）、中道勝士（オリックス・育成5位）

2017年
齊藤大将（埼玉西武・1位）

2018年
渡邊佳明（東北楽天・6位）

2019年
森下暢仁（広島東洋・1位）、伊勢大夢（横浜DeNA・3位）

　この10年間で18人がドラフト指名を受け、そのうち7人が1位指名でプロ入りしている。改めて見るととてつもない数字だ。この流れを継ぎ、今年のドラフトでの指名が期待されるのが、入江大生だ。作新学院時代には同級生の今井達也とともに夏の甲子園優勝を経験。甲子園には主に野手として出場し3本塁打も記録したが、大学では投手として通算26試合に登板してきた。最速151キロ右腕として、今秋ドラフトでの指名を目指す。

　大学では明治大が記録を更新中だが、社会人に目を移すとJR東日本が2011年から9年連続指名と、こちらも明治大に負けない指名数を誇っている。期間中の指名選手は下記の通り。

2011年
十亀剣（埼玉西武・1位）、縞田拓弥（オリックス・2位）、川端崇義（オリックス・8位）

2012年
戸田亮（オリックス・6位）

2013年
吉田一将（オリックス・1位）、田中広輔（広島東洋・3位）、阿知羅拓馬（中日・4位）

2014年
飯田哲矢（広島東洋・6位）、坂寄晴一（オリックス・6位）、西野真弘（オリックス・7位）

2015年
関谷亮太（ロッテ・2位）、東條大樹（ロッテ・4位）、石岡諒太（中日・6位）

2016年
進藤拓也（横浜DeNA・8位）

2017年
田嶋大樹（オリックス・1位）

2018年
板東湧梧（福岡ソフトバンク・4位）

2019年
太田龍（読売・2位）

　こちらは9年間で17人がプロ入りし、うち3人が1位指名だ。さらに7人がオリックスと、同球団が高く評価していることが分かる。そのJR東日本から今秋ドラフトでプロ入りの期待がかかるのが、伊藤将司（横浜・国際武道大）、須永悦司（桐蔭学園・桐蔭横浜大）、西田光汰（大体大浪商・4年目）らだ。毎年のように好投手を輩出するJR東日本から、今年も指名はなるか。

　また、JR東日本の監督として多くの選手をプロへと送り込んだ堀井哲也氏が、昨年12月から慶應義塾大の監督に就任した。今後は慶應義塾大からのプロ入りも増えるかもしれない。

　最後に、高校からは2015年から5年連続指名中の花咲徳栄だ。指名選手は以下の通り。

2015年
大滝愛斗（埼玉西武・4位）

2016年
高橋昂也（広島東洋・2位）、岡崎大輔（オリックス・3位）

2017年
西川愛也（埼玉西武・2位）、清水達也（中日・4位）

2018年
野村佑希（北海道日本ハム・2位）

2019年
韮沢雄也（広島東洋・4位）

　5年間で7人が指名を受けた花咲徳栄。同期間中では大阪桐蔭も根尾昂、藤原恭大ら7人が指名を受けているが、2017年は指名がなかった。埼玉県内のライバル・浦和学院がいる中、5年連続で夏の甲子園に出場しており、ドラフト指名もその期間と重なる。今年の花咲徳栄にも超高校級のスラッガー・井上朋也がおり、プロ志望届を提出すれば指名は濃厚だ。埼玉県の独自大会、そして甲子園交流試合での活躍に期待したい。

（記事＝林 龍也）

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