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都立東大和は、6月の学校再開が新たなスタートラインという意識を確認

2020.05.30

都立東大和は、6月の学校再開が新たなスタートラインという意識を確認 | 高校野球ドットコム
東大和ナイン(*写真は昨秋東京大会より)

 ちょうど、3年生だけのミーティングを行う準備をしていたというタイミングで電話取材に応じてくれたのは、都立東大和の福島靖監督だった。

 学校としては、6月1日から、自粛要請解除となるであろうとしていた当初のスケジュール通りに再開するようだ。当面は分散登校という形になる。まずは、全校生徒を3分割してという方針なので、当然ながら部活動としては全学年が集まって活動するなどと言うことはまだ難しいというのが現状だ。まずは、学年別の分散登校、男女別の分散登校というような形で行われていくことになりそうだ。
「なんだか、男子校と女子校との、別学校みたいになりそうです」
 そう言って福島監督は苦笑する。そして、部活動として正常に戻っていくのは6月も3週目が過ぎたあたりからではないかと見ている。
 2月末の休校要請以降、部としての活動はほぼ休止した状態となっている。

 オンラインシステムを利用してのトレーニング等の伝達に関しては、トレーナーから1時間くらいのZoom映像を見ながらのトレーニング方法を伝えるという時間を作るというもの。そこに、福島監督も今の時間の中で、気持ちの作り方や維持していくことを伝えていくということにしていた。そして、「アドバイスが欲しいヤツは、スイングなんかの画像を送って来てもいいぞ」ということは伝えていたという。
「お願いしますって、みんなが送ってきたら、こっちがちゃんと見てチェックする時間がなくなってしまうかもしれないなと心配していたのですよ。ところが、そんな必要はなかったです。結局10人くらいだったかなぁ。こっちが寂しくなるくらい、送ってきたヤツはいなかったんですよね(苦笑)」

 それでも、選手たちは個々に、壁当てをやって捕球動作を確認したり、シャトルティなどの場所を見つけてやったりということもしていたようだ。また、家が近い者同士は、キャッチボールなどもやっていたということもあったようで、そうした動きはきちんと伝わってきていたという。
「基本的には、ウチの選手たちは真面目な子が多いんですよ。だから、いつもチャラけていたようなヤツが、一人になったら、案外しっかりやっているなぁ、ということがわかって、感心しましたよ。そんな発見もありましたね。隣りに誰もいないということで、自分だけでやらなければいけないという意識が出来てくると、そこで自覚も出てくるんではないでしょうか」
 そんな、選手たちの精神的な成長も頼もしく感じている様子だった。

 「実は、私自身がそんなにインターネットを活用しているというタイプではないんですよ。だから、時代についていくのが精いっぱいで、Zoomとかそういうシステムを使ってやるというのは、そんなに得意ではないんですよ。だけど、そんなことは言っていられませんからね。この期に及んでいろいろ教えてもらったりして勉強しながら、対応して、いくようにしています」
 と、自身も悪戦苦闘しながらも、それでも今の環境の中で、やれる限りのことには対応している様子だ。そして、晴れて活動が出来たときに不備のないようにしておきたいという思いである。

 東京都の場合は、甲子園が中止と発表されても、早くから代替大会を開催していく姿勢があるということを公表していたため、東大和としても、次の目標として代替大会を目指していくという目標設定は出来た。
ただ、その一方で、3年生たちの進路に関しても心配している。
「代替大会があったとしても、授業や受験勉強に入っていくタイミングと重なっていくと思うんですよ。だから、そのこともしっかりとやっておくようにということは伝えています。やるからには、受験に対しても野球も中途半端ではいけません。どちらも、一生懸命やっていこうということは言っています。やらなかったことを引退してから悔いても遅いんだよ…と。そのことだけはしっかり言っておいてあげたいです」

 今、改めてスタートラインに立つことが出来た。そんな気持ちで6月からの学校再開、練習再開を待っている。

(取材:手束仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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