星稜・寺西 成騎に公立校の146キロ右腕など夏に見たかった西日本の投手たち【西日本投手編】
第102回全国高等学校野球選手権大会・地方大会の中止が決定した。しかしまだ46県の代替大会の開催の可能性を残している。
今回は代替大会が開催すれば、評価が上昇する可能性を持った西日本の逸材投手10名を紹介したい。このコラムでは10地区の選手をバランスよく紹介するために、北信越は西日本と区分させていただいている。
西日本は東日本とは対象的に、ドラフト候補となりうるポテンシャルを持っているけれども、知名度が少ない。あるいは、才能開花が待たれる選手を紹介したい。
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寺西成騎と小辻鷹仁
常田 唯斗(飯山)
最近、山岡泰輔(オリックス)の活躍により、角度のあるストレートを投げられる、身体の使い方が上手い投手が人気となっている。そういう意味で、常田は荒削りながら、ポテンシャルは高卒プロを狙える逸材だ。上半身の使い方が非常によく、角度のある140キロ前半のストレートは絶品だ。豪雪地帯・飯山が生んだ逸材として、代替大会が開催されれば、昨年以上の成長を見せることを期待したい。
寺西成騎(星稜)
中学時代から軟式U-15代表を経験。当時から185センチの長身から140キロ前後の速球を投げ込み、1年夏の甲子園では最速143キロをマークするなど、そのスケールの大きさ、球速に、2020年のドラフト上位候補だと期待した方も多いだろう。実際に林和成監督は投手としての器の大きさを高く評価をしていた。ただこの2年間、思うような実力を発揮できずに苦しんだが、昨秋の公式戦では32イニングを投げ、42奪三振、防御率1.13と安定感抜群の投球を見せていた。代替大会が開催されれば、過去最高のピッチングを見せてほしい。
小辻鷹仁(瀬田工)
瀬田工といえば、1980年後半から1990年代にかけて、トレンディエースという愛称で、通算127勝を挙げた西崎幸広さんの母校である。
その再来として期待されているのが146キロ右腕・小辻である。
入学当初の最速が122キロだった小辻はこの3年間で最速146キロまでスピードアップ。球速アップの背景として、睡眠、食事をしっかり摂るといった生活リズムを大事にしてきた事が大きいという。
昨冬では滋賀県選抜に選ばれ、オーストラリア遠征で最速146キロを計測。2月の取材に行われた投球練習を見ても、その球筋の良さは全国レベルのものがある。
2月のインタビューでは高卒プロを掲げていた小辻。その思いが変わらなければ、代替大会が開催された時、かなりマークされる投手ではないだろうか。
林 翔大(乙訓)
京都府内ではトップレベルの好投手。140キロを超える速球を武器に昨秋の京都府一次予選では7回を投げて14奪三振の快投を見せるなど、今春はさらなる成長が期待されていた。林含め今年の世代は入学前にセンバツ出場したの戦いを見て乙訓の門を叩いた選手たち。ぜひ最後の夏はやりきったといえる大会になることを期待したい。
古川雅也(平田)
中止に終わったが、21世紀枠としてセンバツ出場を決めた平田のエース。1年生から活躍し続けてきた投手ということもあって、クレバーな投球を得意とする。昨秋の公式戦では6試合で防御率1.27と安定感抜群の投球を見せてきた。島根は代替大会開催の方向。ぜひ成長した姿を見せてほしい。
鈴木 連(鳴門渦潮)
好投手揃いの鳴門渦潮の中で、フォームの完成度、将来性は一番。惹かれた点は身体の使い方の良さである。スムーズな体重移動、体の負担が少ないスムーズな腕の振り。ぎくしゃくさがなく、現在は最速142キロだが、将来的には150キロも見込める逸材だ。
平安山 陽(松山聖陵)
沖縄出身の平安山(へんざん)。2年春から140キロ前半をマークし、昨春の選抜でも登板を経験した。しかし昨夏は愛媛大会決勝戦敗退に終わり、昨秋は地区予選敗退に敗れるなど悔しい1年に終わった。夏の代替大会が開催される方向になれば、昨年以上にパワーアップした投球を見せていきたい。
山下健太朗(大分東明)
昨年から140キロを超える速球を投げ込み、今年も活躍を期待される大分県屈指の本格派右腕。大分の代替大会が開催されれば、147キロ右腕・川瀬堅斗(大分商)とともに飛躍を期待される。
末永悠翔(鹿児島玉龍)
昨夏鹿児島では8強入りに貢献した二刀流。投げては140キロ前後の速球を投げ込む本格派右腕。走塁、打撃、守備もハイレベル。鹿児島は鹿児島城西、鹿児島実、神村学園の私学勢が注目されるが、公立の星として活躍を期待したい。
次は東日本の野手を紹介したい。
(記事=河嶋 宗一)
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