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現役最多通算171勝を記録する、不惑の石川雅規にかかる大きな期待 過去5年のヤクルトの開幕投手たち

2020.04.03

 コロナウィルスの感染拡大を受け、開幕延期が決まったプロ野球。開幕が待ち遠しい日々が続くが、せっかくなので開幕後によりプロ野球を楽しめるデータをお届けしたい。そこで過去5年間の開幕投手を調べ、それぞれの投手成績を比較してみた。今回は昨季セ・リーグ最下位の東京ヤクルトスワローズ。

大きく負け越すも、年間通してマウンドを守る

現役最多通算171勝を記録する、不惑の石川雅規にかかる大きな期待 過去5年のヤクルトの開幕投手たち | 高校野球ドットコム
ヤクルトの石川雅規(※写真は2015年撮影)

 2015~2019年の5年間、ヤクルトの開幕戦先発マウンドに上がったのは小川泰弘石川雅規ブキャナンの3人。彼の主な投手成績は下記のとおり。

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過去5年間の開幕投手のシーズンの勝利数

 2015年はセ・リーグ優勝、2018年は2位、それ以外の年は5、6位と、良い年と悪い年の差が激しいヤクルトだが、開幕投手の成績と比例しているように見える。2015年は小川泰弘が11勝、2018年はブキャナンが10勝と、ともに二桁勝利を挙げている。そして、二桁勝利に到達したのもこの2年だけだ。

 合計38勝は12球団中10位、54敗は最多だ。大きく負け越してはいるものの、黒星の多さは登板数の多さの裏返しとも言える。その証拠に、5年間の平均登板数25.8試合は、12球団平均の22.8試合を大きく上回っている。

 また、平均投球回数は約157回と、12球団平均145回を大きく上回っており、このことからもヤクルトの開幕投手たちがより多くのイニングを投げていることが分かる。ただ、2015年の小川は3.11だが、あとは4点以上となっており、やや高い。

 平均奪三振数111個は12球団平均の122を大きく下回っており、投球回の多さと比べるとやや目立つ。奪三振数はある程度、投球の威力の指標となることを考えると、圧倒的な球の威力で打者をねじ伏せてはいないと考えられる。

 石川のように打たせて取るスタイルの投手もいるが、この辺りも防御率の悪さとつながっているのかもしれない。これらのことから、ヤクルトの開幕投手たちは「年間を通してローテーションを守り、多くの投球回を投げるが、ある程度の失点もする」投手だと言える。やはり優勝を目指すのであれば、より威力のある球を投げ、失点数の改善が必須となる。

 今季の開幕投手は、今年の1月に不惑を迎えた石川雅規が務めることが公表されている。常々投手力に課題があると言われ続けているヤクルトだが、経験豊富な斎藤隆投手コーチが就任した今季、どのような変化を見せてくれるのか楽しみに待ちたい。

記事:林龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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