エースへの階段を上る今永昇太(北筑出身) DeNAの開幕投手たちはやや苦戦気味
コロナウィルスの感染拡大を受け、開幕延期が決まったプロ野球。開幕が待ち遠しい日々が続くが、せっかくなので開幕後によりプロ野球を楽しめるデータをお届けしたい。そこで過去5年間の開幕投手を調べ、それぞれの投手成績を比較してみた。今回は昨季セ・リーグ2位のDeNA。
エース級の投球を見せたのは2019年の今永昇太のみ
2015~2019年の5年間、DeNAでは今永昇太(北筑出身)、石田健大(広島工出身)、井納翔一(木更津総合出身)、久保康友(関大一出身)の4人が開幕戦の先発マウンドに上がった。彼らの主な投手成績は下記のとおり。
主な投手成績
ここ数年は常にAクラス、優勝争いを繰り広げているDeNAだが、エースと呼べる成績を残したのは2019年の今永のみ。合計勝利数は37勝と、12球団中11位だ(最下位は中日の26勝)。毎年のように二桁勝利投手が出るようになってきたが、それはエースではなく2番手、3番手で回っている投手がしっかり勝っていたものだったと言える。エース対決を制して二桁勝利を挙げたのは昨年の今永のみだ。
続いて勝利数以外の数字も見ていこう。同期間で開幕投手を務めた延べ60人の平均投球回数が144回を超えているのに対し、DeNAの開幕投手は平均128回と下回っている。規定投球回(143回)を超えたのは2016年の井納と、2019年の今永の2人。
石田健大(広島工出身)
2018年の石田は、シーズン中に中継ぎへの配置転換などもあり100回に届かず、やや物足りない数字に終わってしまった。2015年の久保は122回1/3を投げて8勝(チームでは最多)だったが、チームが62勝80敗で最下位に沈む中での勝ち越しは、奮闘と言えるだろう。
2016~2018年はAクラス争いを続けたが、3、4位止まり。しかし、2019年はエースに成長した今永の活躍もあり2位に進出。初めて本拠地でクライマックスシリーズを開催できたDeNA。
チーム力は着実についてきている。今季優勝するためには、開幕投手の予定の今永が昨年通り(もしくはそれ以上)の成績を残し、後に続く投手たちがそれに準ずる投球を見せることができるかが、鍵となるだろう。
(記事=林 龍也)
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