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2020年の埼玉は春日部共栄、聖望学園、浦和実だけの強豪だけではなく、秋の県大会に出ていない山村学園も脅威!

2020.01.17

 2020年の埼玉は花咲徳栄浦和学院を中心とした強豪私学6チームがトップを走ると前回の展望で説明したが、春、夏に浮上できる可能性を持ったチームを紹介していきたい。

前編はこちら!
花咲徳栄、浦和学院はもちろん2020年の埼玉のトップを走る6チームは??

春日部共栄、聖望学園、浦和実などの強豪の躍進に期待

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浦和実・豆田泰志

 まず昨秋の県大会ベスト4の市立川口は1年生の原口稜平は細身の体型ながら体の使い方がうまく、130キロ前半の速球、スライダー、カーブを丁寧に投げ分けるピッチングがうまい。打線は、全体的に振れる打者も多く、ポジショニングの上手さも光る好チーム。タレントは少ないが、団結して勝ち取っていく姿勢が躍進につながった。春、夏も躍進するには個々の戦力アップが課題。一冬超えて、1人1人の個性が出てくることを期待したい。

 聖望学園も本格派右腕・園田 周、大型内野手・蔵田 亮太郎とポテンシャルが高い選手は多いものの、昨秋は花咲徳栄に0対10で敗れ、チームとしての課題は多い。

 昨年選抜出場の春日部共栄は前年からレギュラーとして出場する左のスラッガー・平尾柊翔、昨年正捕手の石崎聖太郎の弟・石崎慶太郎(1年)、遊撃手・増田凛之介(1年)と野手のタレントはそろっているが、投手については昨年の大エース・村田賢一のような大投手はいないため、全体的な底上げが課題となりそうだ。

 そして忘れはならないのが浦和実豆田 泰志の存在だ。合理的な投球フォームから繰り出す常時135キロ~130キロ後半のストレートで次々と空振りを奪う投球は圧巻。さらにストレートの球速が速くなれば、もっと打ちにくい投手となるだろう。昨年、関東大会に出場したメンバーと比べると、大型打者は少ないが、昨夏の新人戦で埼玉栄に勝利するなどチーム力は決して低くない。豆田以外では、成長著しい金子聖也など豆田以外の投手も伸びている。

[page_break:秋季県大会の序盤で敗れたチームも春、夏で浮上する可能性は高い!]

秋季県大会の序盤で敗れたチームも春、夏で浮上する可能性は高い!

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米永大基(市立川越)

 他では3回戦で昌平相手に激戦を繰り広げた上尾、ベスト16の川越東も好投手・蔭山康輔は140キロを超え、打力も力がある。ベスト16の正智深谷はエースの深田など独特のテークバックから投げ込む速球が魅力の大型右腕。

 2回戦で敗れた大宮東は前年から出場している遊撃手・佐藤亮太、スラッガー・小河原凱と打てる素材が多い。また、攻撃力の高い川口青陵や西武文理も浮上する気配が見える。

 川越工真家弥広浦和学院戦で3失点の好投を見せている長身左腕。同じく伝統校・市立川越のエース・米永大基は中学時代に軟式のU15代表に入っていた本格派右腕で成長に期待がかかる。

 また昨秋、県大会に進めなかったチームも実力校は多くある。その中でも強豪ひしめく西部地区では、右の大型スラッガー・矢田 英嵩波田野 幹太(1年)と両スラッガーが残っており、投手力も整備されてくれば、一気に勝ち上がりそうな予感はある。そして地区予選敗退の山村学園は前年からレギュラーだった平野裕亮平野裕亮、右の好投手・小泉 雄貴などが残るが、全体的に経験不足。それでも今春以降にデビューさせる逸材や、今年の新入生の顔ぶれの中にも強豪チームの主力選手が例年以上で、夏にかけて浮上するチームであることは間違いない。

 この2020年はどんなチームが埼玉をかき回していくのか、大いに注目していきたい。

(文=河嶋 宗一

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高校1年秋の時点で通算21本塁打。大型外野手・吉野創士(昌平)の完成形は鈴木誠也だ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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