Column

鳥栖商(佐賀)「鍛え上げたバッティングを武器に甲子園を目指す!」

2019.06.26

 春の佐賀大会ではベスト4に入り、県内でも注目を集める鳥栖商。今年はどんなチームなのか?園田元紀監督のコメントより今年のチームを分析する!

他校にも一目置かれる強力打線!


グラウンドに一礼する鳥栖商

 園田監督が鳥栖商の監督に就任したのは3年前である。それ以前は、佐賀北鳥栖で指導してきた。
 「偉大な先生達のノウハウじゃないんですけどもそういうのは多少は持ってると思います」と語るように、佐賀北では、07年夏の甲子園で優勝監督となった、百崎敏克氏(現在は佐賀北野球部副部長)と、鳥栖では交流試合大会「クロスロードin鳥栖」の発起人、故・平野国隆元監督と一緒に野球を指導してきたことも大きな財産になっている。

 園田野球が3年目にしてチームに浸透してきたと言えるだろう。

 園田監督が率いる、鳥栖商は、他校にどのように見られているのだろうか?

 「県内の他の先生達からはバッティングが良いと言われるんです。昨日の練習試合でも、試合の後に相手の先生から、どんなバッティング練習をしてるんですかと言われんです。けれども今年はそんなに打てると思ってないんです。例年に比べると打てない方だとは思います」と園田元紀監督は話してくれた。

 例年に比べ打てないと言うも、1番・冨安瑛士(とみやす・えいし)、2番に注目の園田恵大(そのだ・けいた)、5番には、春季大会3本塁打を放ち、注目された2年・平野伸(ひらの・しん)が控える打線は、他校からみれば脅威に違いない。地元の生徒たちだけで、純粋に鍛え上げて育てたチームということを考えれば、園田監督の手腕によるところと考えられるだろう。


園田元紀監督(鳥栖商)

 園田監督に、どのようなバッティング練習をしているか伺うと
 「特別な練習はしていません。竹バットで緩いボールを打つようにさせてます。ただ竹バットでもネット超えるんですよ。 体幹もやりますし、いろんなトレーニングをやります」と話してくれた。

 緩いボールをきちんと自分のポイントで振り抜けるかを意識している。この「自分のポイント」という考えは、選手にも徹底されている。

 園田監督の息子で主将でもある園田恵大は、
 「自分たちの中で良いアウトのなり方というのがあって、相手に打たされたというわけではなく、自分のポイントで打ってそれがアウトになるのであれば、それは全然いいので、そういう良いアウトになり方というのは考えています」と話してくれた。

 指導者そして選手たちが同じ方向を向いて練習と向き合っている。ここに鳥栖商・強力打線の真髄を見た気がする

[page_break:全員野球で頂点を目指す!]

全員野球で頂点を目指す!


左:園田恵大 右:平野伸

 「打線というのは本当に水もので良いピッチャーにかかったら点が取れませんから、それは彼らもわかってやってると思います。自分たちが力がないことはある程度わかっては行ってると思います」

 園田監督の言葉である。強力打線を有する鳥栖商だが、監督はしっかりと現状を見ている。だからこそ、最小失点で抑えることは、夏勝ち上がるための重要事項である。投手は、打撃でも注目が集まる園田恵大(3年)、135キロ右腕平野伸(2年)、遊撃手を兼任する中村優志(2年)、レフトを守る児玉和也(2年)など駒は揃っている。

 それぞれ、マウンドに上がらない時は野手としても出場する。複数ポジション制は当たり前である。それが今年の鳥栖商の戦い方である。

 もちろん、園田監督が考える戦い方は、選手たちに浸透しているはずだ。

 投打にチームを引っ張ることになるだろう平野伸は、
 「目の前の試合試合を一戦一戦、勝ちにこだわった野球で、チーム一つになって野球をすることが甲子園につながるとおもいます」と語った。

 全員野球で、一戦必勝を旨に鳥栖商は夏の佐賀大会を駆け上がるつもりだ!

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今年も大好評!
【僕らの熱い夏 特設ページ】
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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