Column

戸畑(福岡)「中野翔太だけでない、バランスの取れた野手陣で夏を戦う!【後編】」

2019.06.21

 前編ではこの1年間で見えてきた戸畑の課題や試合を作るバッテリーを取り上げてきた。後編では注目野手と新戦力を紹介していく。

 戸畑(福岡)「夏のダークホースとなるか!伸びしろ感じる急成長チーム!【前編】」

センターラインを軸に夏を戦い抜く!


左から、石橋潤、奥村信哉、中野翔太

 今年の戸畑はセンターラインがしっかりしている。

 主将であり昨年から試合に出る石橋潤が遊撃手に入り、二塁には1年生の藤野恵音が入る。捕手には前述した、渡辺が扇の要にいる。センターには、注目の野手・戸畑中野翔太がいる。福岡でもトップクラスのセンターラインを形成している。

 その中で、2人の選手にスポットライトを当てたい。

 1人目が、182cm83キロの戸畑中野翔太だ。高校通算26本塁打(6月10日時点)と長打力も光る。兄は小倉で投手として注目された中野裕斗(山口大)である。弟・翔太も肩が強くマウンドに上がることがある。その強肩ぶりは投手だけでなく、中堅手としての中野を輝かせる要素でもある。センターラインの一番うしろに中野がいるのは心強い。

 そして、もう1人が二塁手の藤野恵音(1年)である。中学時代は小倉シニアに所属し、九州リトルシニアリーグ代表にも選出され、走攻守に高レベルな遊撃手として注目されていた選手である。


藤野恵音(1年)

 「1年生離れしているプレイをします。バッティングも4月から入学してずっと試合で使ってますが4割を超えています。守備も抜群に上手いです」

 と江藤監督は語る。もちろん走塁も非凡なものがある。右打ちだが一塁までの駆け抜けは3.7秒である。この藤野が1番に入ることで戸畑の攻撃のバリエーションが大きく広がったのは容易に想像できる。

 江藤監督は「夏福岡に勝つためには打撃力を強化していかない」と話す。攻撃での軸になる1番の藤野恵音と4番中野翔太がその中心にいるのは間違いない。

[page_break:まだまだいるポテンシャルを感じる選手たち]

投打のバランスが噛み合う戸畑!


江藤高志監督(戸畑)

 さて、話を一番始めの江藤監督の言葉に戻したい。

 「今年のチームは投打のバランスが良い」

 エースの奥村信哉を中心とした投手陣、そして野手陣では捕手の渡辺 暉弘、藤野、石橋潤の二遊間、そして中堅手の強打の中野と役者は揃っている。

 「投打のバランスで言ったら今年は結構期待できると思います」

 力強く話してくれた江藤監督のこの言葉に、戸畑の「現在地」が詰まっている。夏の躍進を期待したい!


1年生投手3人組の右から松山航士、金田一真、木原雄真選手

編集後記
 まだまだいるポテンシャルを感じる選手たち

 今夏という点以外にも、新チーム以降を見通しても、楽しみな投手が多数控えているのが戸畑高校だろう。長身から140キロ近いストレートを投げ下ろす荒木誠也(2年)、また元オリックスの左ピッチャーの金田政彦投手の息子である金田一真(かねだ・かずま) 、松山航士(まつやま・こうし) 、木原雄真(きはら・ゆうま) などの1年生投手トリオも身体能力が高く、今後の成長を期待させられる。この下級生たちの中から一人でも、今夏に台頭してくれば、戸畑の投手陣が更に厚みを増すのは間違いない。

(取材:田中 実)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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