Column

東海大学編「菅野智之によって切り開かれた縦縞の黄金期」【後編】

2019.05.29

 東海大学野球部と言えば、読売巨人軍の監督に復帰した原辰徳監督と、その甥っ子であり巨人軍のエースもある菅野智之が象徴的な存在となっているが、その他のOBを見渡しても、多士済々な顔ぶれが並ぶ。今回はその中で、2000年以降に卒業したOBの顔ぶれから、歴史とつながりを見ていきたい。

2000年台に訪れた東海大学の二つの黄金期

東海大学編「菅野智之によって切り開かれた縦縞の黄金期」【後編】 | 高校野球ドットコム
今や日本のエースとなった菅野智之(読売ジャイアンツ)

 2000年以降の東海大学野球部の歴史は、大きく二つに分けられる。
 一つ目は、2001年の第50回全日本大学野球選手権優勝を経験した世代の選手たちだ。この時には、後にプロ入りは果たす平野恵一(元オリックスなど)、小田嶋正邦(元横浜など)の2名が主力としてチームを牽引しており、その1学年下には、エース・久保裕也(元読売ジャイアンツ)が君臨していた。

 この第50回全日本大学野球選手権優勝を経験した選手の中からは、6名が後にプロの世界へ進むこととなる。まさに一時代を築いたと言える期間であった。

 二つ目は2010年以降の5年間だ。
 きっかけとなったのは、2010年の第59回全日本大学野球選手権大会で、今や日本のエースとなった菅野智之(読売ジャイアンツ)が大ブレイクを果たしたところからだ。

 当時のチームは、伊志嶺翔大(千葉ロッテマリーンズ)が主将としてチームをまとめ、菅野の他にも、田中広輔(広島東洋カープ)や伏見寅威(オリックスバファローズ)、坂口真規(元読売ジャイアンツ)に赤間謙(横浜DeNA)など、後にプロ入りを果たす選手が7名も集っていた。
 全国制覇こそ果たせなかったが、2季連続での全国準優勝は立派と言うほかない。

 そしてその4年後の2014年、菅野や田中の背中を見てきた世代の選手たちが、当時の横井人輝監督の悲願であった日本一を遂に果たす。
 当時のオーダーには、大城卓三(読売ジャイアンツ)に田中俊太(読売ジャイアンツ)、そして今シーズンに支配下登録を勝ち取った渡辺勝(中日ドラゴンズ)などの、次世代のスター候補生たちが並び、投手陣も中川皓太(読売ジャイアンツ)、吉田侑樹(日本ハムファイターズ)と、後にプロ入りを果たす2名の投手を擁していた。

 この2010年から2015年までの5年間で、プロ野球の世界に進んだ選手は実に12名にも達する。これはひとえに、東海大学野球部前監督の横井人輝氏の功績と言えるだろう。

 プロ野球選手以外でも、2010年世代の伊志嶺翔大の同期には、2018年に東海大相模の野球部部長に就任した長谷川将也部長もいる。
 選手だけに止まらず、今後は名指導者が生まれる期待も高い。

[page_break:2000年以降に輩出した東海大学出身のプロ野球選手を一挙紹介]

2000年以降に輩出した東海大学出身のプロ野球選手を一挙紹介

東海大学編「菅野智之によって切り開かれた縦縞の黄金期」【後編】 | 高校野球ドットコム
若手有望株の田中俊太選手(右)と中川皓太(左)

 ここからは2000年以降に卒業した東海大学出身の選手の中で、プロ野球界へと進んだ選手を一挙に紹介していく。一流プレーヤーとしてその名を鳴らした選手から、現在の日本プロ野球界でトップクラスの選手まで、バラエティに富んだ顔ぶれが並んだ。
 それでは早速見ていこう。

◆2000年以降に輩出した東海大学出身のプロ野球選手
※球団は入団した球団
稲嶺茂夫  2000年ドラフト7位 横浜ベイスターズ
岡上和典  2000年ドラフト7位 広島東洋カープ
平野恵一  2001年自由獲得枠 オリックス・ブルーウェーブ
小田嶋正邦 2001年ドラフト3巡目 横浜ベイスターズ
鞘師智也  2002年ドラフト4巡目 広島東洋カープ
久保裕也  2002年自由獲得枠 読売ジャイアンツ
小林正人  2002年ドラフト6巡目 中日ドラゴンズ
大松尚逸  2004年ドラフト5巡目 千葉ロッテマリーンズ
松井宏次  2009年育成選手ドラフト1位 東北楽天ゴールデンイーグルス
加治前竜一 2007年大学生・社会人ドラフト4巡目 読売ジャイアンツ
市川友也  2009年ドラフト4位 読売ジャイアンツ
荒波翔   2010年ドラフト3位 横浜ベイスターズ
小林敦   2010年ドラフト3位 千葉ロッテマリーンズ
岩﨑恭平  2008年ドラフト3位 中日ドラゴンズ
伊志嶺翔大 2010年ドラフト1位 千葉ロッテマリーンズ
田中広輔  2013年ドラフト3位 広島東洋カープ
菅野智之  2012年ドラフト1位 読売ジャイアンツ
伏見寅威  2012年ドラフト3位 オリックス・バファローズ
坂口真規  2012年ドラフト5位 読売ジャイアンツ
赤間謙   2015年ドラフト9位 オリックス・バファローズ
鈴木昂平  2015年ドラフト7位 オリックス・バファローズ
大城卓三  2017年ドラフト3位 読売ジャイアンツ
田中俊太  2017年ドラフト5位 読売ジャイアンツ
渡辺勝   2015年育成選手ドラフト6位 中日ドラゴンズ
吉田侑樹  2015年ドラフト7位 北海道日本ハムファイターズ
中川皓太  2015年ドラフト7位 読売ジャイアンツ
丸山泰資  2016年ドラフト6位 中日ドラゴンズ
(以上、27名)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!