試合レポート

東海大相模vs浦和実

2019.05.20

1年生左腕・石田隼都が好投!茂谷光が打線を牽引しベスト4進出!!

東海大相模vs浦和実 | 高校野球ドットコム
期待の1年生左腕・石田隼都(東海大相模)

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 [stadium]県営大宮公園野球場[/stadium]の第2試合では、東海大相模vs浦和実の一戦が行われた。

 試合前の構図では、浦和実豆田泰志三田隼輔の2枚看板が、どこまで東海大相模打線に通用するかに焦点が集まった。

 まずは、ここまでの試合同様に豆田が浦和実のマウンドに上がる。
豆田は、135㎞超えのストレートとスライダーやフォークを駆使し、三振を奪える投球が出来る。その豆田の立ち上がりは、3番・西川僚祐に四球を与えるが後続を三振に切って取る危なげない立ち上がりをみせる。

 対する東海大相模の先発は、1年生左腕・石田隼都が大事な準々決勝に上がった。
大きく振りかぶってから、左腕を下に真っ直ぐ降ろしてそこから勢いよく打者に向かって投球する。スライダーの切れやストレート伸びは、今後の伸びしろを期待せずにはいられない好左腕ではないだろうか。投げっぷりも良く、声を上げて投球する姿はとても1年生とは思えない。

 そしてそれは、結果としても現れる。
初回、簡単に二死を奪うがヒットと四球を許し二死一、二塁となる。続く、5番・水谷優希がセンター前に弾きかえす。すると、センターの鵜沼魁斗が自慢の強肩を披露しホームタッチアウトで先制は許さない鉄壁な守備を披露。

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本塁は阻止する!

 そして、迎えた2回裏の東海大相模の攻撃。
一死から、6番・金城飛龍の打球は相手のエラーを誘い出塁を果たす。続く、茂谷光がライト線を破るツーベースで一死二、三塁と好機を演出する。

 すると、東海大相模ベンチは8番・萩原義輝の打席でスクイズを敢行。これが、見事に決まり先制に成功。そして、二塁ランナーの茂谷もホームを狙うがここはタッチアウトで、ツーランスクイズは成功ならず。何とか、最少失点で豆田が凌ぐ。しかし、豆田も疲労がたまり本調子ではないが、要所で見せるギアを上げたストレートはやはり只者ではないと感じさせた。

 先制点をもらった石田は、気持ちが楽になったのかコースを広く使いバッタバッタと相手を打ち取り最終的には、5回を投げて被安打3、奪三振5、自責点1と申し分のない内容で登板を終えた。この大舞台で、これだけの投球が披露出来るとなると夏の大会は戦力として考えていいだろう。



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両校守備が光る!!

 6回裏に東海大相模打線が強打を見せつける。
豆田からバトンを引き受けた三田は、西川と山村崇嘉に連打を浴びると茂谷のタイムリーなどで、一気に4点を奪われる。まさに、好球必打で東海大相模打線の繋がりを感じるイニングとなった。豆田と比べるとやや球威が落ちる三田だがコントロールは素晴らしいものがある。しかし、いつもの球威やコントロールは鳴りを潜め、中軸や下位に捕まってしまった。

 1点でも、返していきたい浦和実打線だが6回から登板した野口裕斗に完璧に抑え込まれてしまったという印象。特に、チェンジアップには各打者が目を丸くして打席に立っていた。ストレートに石田程の球威は感じないが、ブレーキの効いたチェンジアップにくるくるとバットが回り勝負ありとなった。

 この試合、投のヒーローは石田の名前が挙がる。
物怖じしない強心臓に加え、コース一杯にストレートを投げ込み投げミスのないスライダーを低めに集める投球は圧巻。しかし、まだフォームにムラがあるのか時折バランスを崩して投球する場面が見て伺えた。夏の大事な試合に向けて、まずは体力面をしっかりと鍛えそこからフォーム磨きに時間を掛けていってほしい。

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4安打の固め打ちする茂谷光(東海大相模)

 打のヒーローでは、7番・ショートとして4安打を放った茂谷で間違いないだろう。
170㎝65㎏と大柄な東海大相模の選手達に混ざると一際、小さく感じるがとにかくバットが振れる選手。胸の辺りにバットを立てて構え、投球と同時に顔横に上げてトップを作る。そこから、コンパクトの中にも力強さのあるスイングでヘッドを走らせていく巧打者。
この日のヒットもすべて振り切ったライナー性のヒットで4安打と固め打ち。守備を見ても、1歩めの速さやスローイングの正確性はピカイチの遊撃手ではないかと思う。この活躍を継続できれば、夏の背番号が一桁へと変わっていくだろう。2年生遊撃手として今後の期待。

 一方、敗れた浦和実だが全国レベルの投手、そして野手のレベルの高さを痛感したのが実際の感想だろう。唯一の複数安打の水谷優希を筆頭に振れる打者は揃っている。あとは、ボールにキレのある投手をどうやって打ち崩していくかが最大の課題だろう。投手陣では、豆田や三田の他にあと1名投手が欲しいところ。夏はいかに上手く登板を回避していきながらベストな状態で強豪を迎え撃ちたい。そうなったときに、完投できる投手が居れば両者の負担も軽減できるだろう。Aシードで戦う浦和実に投打の課題が残った一戦となった。

(文・=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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