関東大会1日目は横山陸人、飯島一徹の2人のプロ注目投手が登場!そのほかにも逸材が続々!
5月18日から開幕する第71回春季関東地区高等学校野球大会(以下、春季関東大会)まず初回は第1日で最も目玉な東海大相模vs木更津総合の一戦の見所をお伝えしたが、残りの第1日の見所を紹介したい。
埼玉県営大宮球場 第2試合 健大高崎(群馬2位)vs専大松戸(千葉2位)
専大松戸の注目右腕・横山陸人
強打の健大高崎と総合力の高い専大松戸の一戦。健大高崎は巧打堅守の二塁手・田口夢人、パワーヒッター型の伊藤 雄紀、大型遊撃手・井上 壱悟、高校生ではトップクラスの強肩外野手・御園 英貴と能力が高い野手が多い。
また投手ではひざ元にグッとくるストレートが魅力。130キロ中盤ながら威力のある速球を投げ込む吉井 直孝も面白いだろう。
一方、専大松戸のエース・横山陸人は右サイドから常時140キロ前後の快速球は回転数が抜群で、県大会では対応力が高い中央学院打線から12奪三振を記録。120キロ中盤のスライダーの切れもあり、なんといっても一気にチームをのせるマウンド捌きが魅力。
県大会ではスカウトの評価を大きく高めたが、関東大会でも評価を上げることができるか。また140キロ台の速球を投げ込む杉田智也、135キロ近い速球を投げ込む2年生左腕・西村卓真にも注目。
打線では習志野戦で本塁打を放った丹呉響平、スローイングタイム1.9秒台を誇る捕手・間中堅も県大会で見せた勝負追さを発揮できるか。
【注目選手】
田口夢人(健大高崎)
伊藤 雄紀(健大高崎)
井上 壱悟(健大高崎)
御園 英貴(健大高崎)
横山陸人(専大松戸)
杉田智也(専大松戸)
西村卓真(専大松戸)
丹呉響平(専大松戸)
間中堅(専大松戸)
市営大宮球場 第1試合 桐光学園(神奈川2位)vs東農大三(埼玉4位) (11:30)
東農大三・飯島一徹
この春、横浜を破った桐光学園は毎年逸材を揃える。今年の中心は投打の柱・安達壮汰に注目。130キロ後半は出ているであろう力強い速球や、打者としてもオーバースイングにならず、広角に打ち分ける打撃は必見。
また2番打者ながら本塁打を量産する桐光学園 鈴木智也もメカニズムが良く、鋭い打球を連発する。また俊足巧打の大型遊撃手・楠本龍聖も下位打線ながら、将来性は高く、下位打線ではあるが、ぜひ注目したい選手だ。また、1年時から注目されていた本格派・谷村然の復活にも期待したいところである。
対する東農大三のエース・飯島一徹は全国トップクラスの強力打線である花咲徳栄を5失点完投勝利を挙げ、一気に評価を挙げた本格派右腕。
真上から振り下ろす投球フォームはブレが小さく、花咲徳栄戦では1~9回まで最速は140キロ以上を計測。9回になっても最速145キロを計測しており、その馬力は本物、またキレのあるスライダーや落差抜群のツーシームもある。巧打者で、さらに機動力も高い桐光学園打線相手にどこまで実力を発揮できるか。
東農大三打線は突出した長打力を持った野手は少なく、エースの飯島が一番の強打者なのだが、野球選手としてみれば、3番センターの加納陸は打者としては当てる能力が高く、さらに強肩が光るセンター守備にも注目したい。
【注目選手】
安達壮汰(桐光学園)
楠本龍聖(桐光学園)
桐光学園 鈴木智也(桐光学園)
谷村 然(桐光学園)
飯島一徹(東農大三)
加納陸(東農大三)
続いて市営大宮球場2試合目と上尾市民球場1試合の見所は次ページで紹介したい。
[page_break:佐野日大(栃木1位)vs国士舘(東京2位)/山村学園(埼玉3位)vs水戸商(茨城2位)]市営球場 第2試合(14:00)佐野日大(栃木1位)vs国士舘(東京2位)
国士舘・白須仁久
佐野日大は昨秋のエースだった松倉亮太がケガで不在の中、昨秋よりも底上げを果たし、圧巻の成績で優勝を決めた。攻守の中心が橋浦 大和。決勝戦でも本塁打を記録するなど、恵まれた体格から強烈な打球を飛ばす強打の捕手。また力強いスローイングと投手の持ち味を引き出す好リードが光る。
松倉の穴を埋めたのが松本翔大。昨秋はライトと投手を兼任していたが、今年はエースとして活躍を見せた。将来性は野手。パワフルな打撃に加え、投手をやっているということもあって、抜群の強肩。また攻守で高いセンスを秘めた佐藤浩之(2年)も注目したい。
選抜出場の国士舘はやはり地力が高く、投打に逸材が揃う。バランスが取れたフォームから135キロ前後の速球、スライダー、フォークを投げ分ける白須仁久、センバツでリリーフで力投。
都大会でも140キロ台の速球を投げ込んだという山田 裕也(国士舘)、俊足巧打の大型二塁手・黒川麟太朗、独特の構えから長打を連発する2年生スラッガー・黒澤 孟朗は関東大会でも強打を発揮できるか。また、大型遊撃手・鎌田州真も攻守で躍動したい。
【注目選手】
橋浦大和(佐野日大)
松本 翔大(佐野日大)
佐藤 浩之(佐野日大)
白須仁久(国士舘)
冨田 洋佑(国士舘)
山田 裕也(国士舘)
黒川麟太朗(国士舘)
黒澤 孟朗(国士舘)
鎌田州真(国士舘)
上尾市民球場 第1試合(12:00)山村学園(埼玉3位)vs水戸商(茨城2位)
山村学園・和田朋也
山村学園は準々決勝で完封勝利を挙げたエース左腕・和田朋也に注目。好調時は135キロ前後のストレートとキレのあるスライダーで翻弄し、気合が入ったマウンド捌きも魅力。他では130キロ中盤の速球とキレのあるスライダーを投げ込む伊織丈一郎にも注目だ。
打線では長打力があり、堅実な守備をウリとする三塁手・小林匠がいるが、それ以外にも潜在能力が高い打者も多い。多くの選手が公式戦でその力を表現できれば、もっと脚光を浴びる可能性を持っている。センターラインががっしりしていて、簡単には倒れないしぶとさがある。
水戸商は決勝進出の原動力となったエース・小林嵩は好調時は140キロの速球を投げ込むが、普段は135キロ前後の速球と120キロ前半のスライダーをコーナーに投げ分けて打ち取る技巧派。高速クイック、牽制、フィールディングといった投球以外の技術も高い。
また主将の高橋優太は今大会注目の遊撃手。守備範囲が広く、三遊間の深い位置からでもダイレクト送球ができる肩の強さは大学生レベル。守備については森敬人(桐蔭学園)、韮澤雄也(花咲徳栄)と比較できるレベル。打撃では捻りが大きい動作なのが気になるが、鋭い打球を連発し、準決勝ではサヨナラ打を放った。
【注目選手】
和田朋也(山村学園)
小林匠(山村学園)
伊織丈一郎(山村学園)
小林嵩(水戸商)
高橋優太(水戸商)
文=河嶋 宗一