明豊、大分の2トップに追いつけ!激戦が予想される九州予選大分大会の見所!
選抜甲子園と同じく3月23日から開幕する第144回九州地区高等学校野球大会 大分県予選。2月下旬、大分県の指導者と話を聞く機会があったが、「今年の大分の九州予選は明豊、大分が出なくても激戦」と語る。今年の勢力図を紹介していきたい。
大分高野連主導で県内の底上げに尽力
昨春、茨城へ遠征した時の大畑蓮投手(明豊)
大分勢2校が選抜出場。これは久々の快挙で、大分高野連としては嬉しいニュースである。近年、なかなか全国や九州大会で勝ち進めなかった大分県。その現状を打破しようと始まったのが2017年からの県外遠征だ。
秋の九州予選の1位~4位に入ったチームが関東・近畿の強豪校と強化試合を組み、2017年、明豊が選手権ベスト8、2018年は明豊が二期連続大会で九州準優勝と着実に結果を残している。大分高野連の理事で、大分舞鶴の花田修監督は「強化策が実を結んでいるかなと思います」と振り返った。
また、県外強化試合以外の施策では平成30年度大分県高等学校野球部トレーニングマッチ、 平成30年度大分県高校野球指導者研修会を実施。
また高野連主導のイベントだけではなく、花田監督自身、同世代の指導者と交流しあいながら、勉強会を実施するなど、外部からどんどん吸収する姿勢が大分のレベルアップにつなげている。そういう土地柄もあって、今年は私立・公立問わず実力校が揃っているのが魅力だ。ここから大会の展望に入っていきたい。
[page_break:140キロ越えの好投手が多い今年の大分県]140キロ越えの好投手が多い今年の大分県
141キロをマークした川瀬堅斗(大分商)
好投手・翁長 佳辰擁する日本文理大付は大分商と日田の勝者と対戦。日本文理大付の翁長は滑らかな体重移動からキレのあるストレートで勝負する本格派右腕で、一冬超えて140キロ前後のストレートがボリュームアップしているか。
大分商は福岡ソフトバンク・川瀬晃の弟の川瀬堅斗に注目。高校1年生にして、最速141キロをマークした185センチの大型右腕はどこまでレベルアップしているか。いきなりの強豪校同士が実現しそうだ。また同ブロックでは大分上野丘も注目だ。
同じくベスト4に入った津久見のブロックは激戦。津久見は俊足で守備範囲が広い伊藤海吏と岡部優四朗、安定感あるピッチングを見せる柴田享兵が中心の好チーム。伊藤は昨秋5割近い高打率を残した巧打者だ。取られたら打って返す攻撃的な野球にディフェンス面を磨き、九州大会を目指す。
そんな津久見の初戦の相手は中津南と玖珠美山の勝者と対戦する。同ブロックでは最速142キロ右腕・常廣 羽也斗(つねひろ・はやと)擁する大分舞鶴は大分国際情報と対戦。
大分で注目を集める日高翔太投手(大分工)
常廣は昨秋、柳ヶ浦との練習試合で完封した実績もあり、投手育成に定評のある羽田監督からも「柳ヶ浦で完封した時よりも状態は良い」と手ごたえを感じている。今年のブレイク候補として注目したい投手だ。このブロックでは柳ヶ浦、佐伯鶴城といった実力校もそろっている。
大分の各校の指導者が恐れる最速143キロ右腕・日高翔太、今宮啓斗のバッテリー擁する大分工は別府鶴見丘と臼杵の勝者と対戦と初戦から険しいカード。
日高は一冬超えて球速を伸ばしており、「憎たらしいぐらい素晴らしい野球センスと観察力を持っています」と県内の指導者に言わしめた実力をこの大会で発揮できるか。また昨年甲子園出場の藤蔭は日田林工と対戦する。
今年の大分は各校ともに逸材が多く、取材を進めていくと魅力的なチームが数多い。春の九州予選は実力を高めあい、明豊、大分の2トップを脅かすチームが浮上することを期待したい。
(文=河嶋 宗一)