習志野（千葉）「現状把握」からの再スタート！【後編】

　関東大会では桐生第一、東海大甲府などの強豪相手に快勝した千葉・習志野。チームが目標としていた2勝を挙げることができたものの、準決勝の桐蔭学園戦では惜しくも敗れ、決勝進出とはならなかった。後編では、関東大会で見つかった課題と今の習志野に必要な練習について小林監督からお話を伺った。

習志野（千葉）苦戦を乗り越え、掴んだ全国への切符【前編】

山内翔太など練習に励む習志野投手陣

　大会後、小林監督が選手たちに伝えていることは、「現状把握」だ。
　「まだ選手たちには今の実力は結果に伴っていないと伝えて、スタートさせました。競争しなさいというよりもレギュラーもベンチ入りの選手も全員、一部員に戻って作り直していこうといった感じです。競争してレギュラーというわけではないです」

　出した結果に対し、それに見合う選手、チームになってほしいというのが小林監督の願いだ。11月中の練習試合ではベンチ外の投手が登板。関東大会ではベンチ外となった杉山隆玄が好投を見せ、競争は増している。また、小林監督は選手たちに目標を設定させ、春までどんな選手になりたいかを考えさせている。
　それについて主将でセンターの根本は「走攻守をすべて引き上げていきたい」と答え、エースの飯塚は「要所で三振が奪える投手になること。欲を言えば球速は150キロに達したいです」と意気込む。小林監督は「選手たちが決めた目標なので、それは達成させてあげたい」と協力を惜しまない。

　そして練習を見ると習志野の練習は細かい。バント処理の練習ではストップウォッチを使い、素早くアウトに完了させることを意識されている。さらにノッカーは内野の間にギリギリの打球を打ち込み、選手にプレッシャーを与えている。投手陣はただキャッチボールするだけではなく、キャッチボールの中に牽制の動作を取り入れるなど実践的なキャッチボールを行っていた。

選手に指導する小林監督

　打撃練習では打撃フォーム、タイミング、投球練習ではフォーム、ボールの球筋、投球のテンポと、あらゆるところから小林監督からの指摘が飛び、選手は自ら動きを確かめながら、練習をこなしている。自分が足りないところを考えながら練習を消化する。試合を消化する。それを前向きに取り組む姿勢が今年の習志野の躍進を生んでいるのだろう。

　春へ向けて小林監督は「スタートしてから元値が高くない中でしたが、選手たちはいいモチベーションをキープできていると思います」と手応えを感じている。

　これまで小林監督の予想以上の戦いを見せてきた習志野ナインはこの選抜では、名門復活と印象付ける戦いを見せることができるだろうか。

（文・河嶋宗一）