Column

登美ケ丘(奈良)「ライバルからのマークを振り切って、春・夏は奈良を制する!」

2019.02.06

天理戦の敗戦を胸に春・夏の飛躍を誓う!


選手とマネージャー全員による登美ケ丘の集合写真

■部活動が盛ん!女子サッカー部も

 奈良県奈良市にある奈良県立登美ヶ丘高等学校。1987年に開校され、2016年に創立30周年を迎えた。部活動が盛んで、県立校ながら女子サッカー部も創部されているも大きな特徴。そのなかでも、運動部では野球部、文化部では吹奏楽部がしばしば各大会の上位に食い込むなど、有名な存在となっている。野球部は昨秋の奈良大会で4強入りを果たしており、春以降の活躍にも期待がかかる。

■登美ケ丘野球部の紹介

 現在2年生11、1年生10、マネージャー3名の計24名が在籍。「シード校を決定する大会、秋季県大会の両方で敗れたライバル校・天理を倒し、甲子園に行く」という大きな目標を掲げ、練習に励んでいる。5つの運動部でグラウンドを共有しているため、全面を使用できるのは最大でも週2日程度。練習スペースに制約はあるが、連続ティーとダッシュを組み合わせた「ヘロヘロティー」やフットワークを鍛える「三本線」など創意工夫を凝らしたメニューを開発・実践し、力をつけている。

■秋季大会を振り返って

 この質問に対し、“練習キャプテン”を任される甲斐龍星副主将は、2018年秋から復活した大会「シード決定戦」初戦の天理戦を挙げてくれた。
 「新チームで臨む、初めての公式戦。緊張していました」というなかで始まった一戦は、先頭打者本塁打が飛び出し、先制に成功。5回に逆転を許したものの、6回に5得点。6対2と再びリード奪ったものの、「勝った!とチームに隙が生まれてしまった」ことで、8回に同点、更に満塁本塁打を浴びるなど失点を許し、無念の8回コールド負けを喫した。

 「私立相手にリードしながら試合を進めるのは、想像以上に神経が磨り減ると実感しました。新チーム発足後一番悔しい試合です」と甲斐副主将が語るように、大きな発奮材料となっている。

■新チームを引っ張ってきた選手は?

 シード決定戦の初戦で先頭打者本塁打を放った甲斐龍星秋季大会の2回戦から4回戦(準々決勝)の3試合連続で決勝点を挙げた高橋史哉が攻撃では目立った。守備面では、2回戦から4回戦までの3試合を全て投げ抜き、3試合合計でわずか1失点の好投を見せた西智史が代表格だ。

■この冬の意気込み!

 「自分たち2年生にとっては最後、1年生にとっては初めてのオフシーズンです。ここまでは冬を経験している2年生を中心に活気を出しながら、練習に取り組めている実感があります。ベスト4まで勝ち進めたことで、春、夏は今まで以上に他チームからマークされると思います。それを乗り越えるには、個々のスキルアップが必要。個人の成長はチームのレベルアップにも直結するので、高い意識を持って“土台”とも言える練習に取り組みたいです。そして、春、夏は優勝できるように、皆で試行錯誤しながら後悔のないオフシーズンにしたいです!」。こう意気込みを語ってくれた甲斐副主将の声からも、オフの充実ぶりが伝わってきた。

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[page_break:主将とエースが語る課題]

主将とエースが語る課題


左から西智史、甲斐龍星、藤原拓弥選手

  ここからは登美ヶ丘で広角打法がウリの好打者・藤原拓弥主将、頼れる投手もある西智史副主将、に話を伺いました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください

 藤原:西が全試合完投だったので、彼への負担が大きかった。西も含めた投手陣全体のレベルアップが必要だと思いました。
 西:連戦を投げ抜く体力が足りていませんでした。空振りを取れるだけのストレートの伸びとキレ、変化球の制球力も課題です。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

 藤原:ひとりひとりが高い意識を持ち、秋季大会の成績を超えることがチームの目標です。個人的には打撃の土台となる下半身を強化したいです。
 西:強い下半身を作り、直球、変化球の質を上げたいです。連戦でも最初から最後までベストな投球ができる体力も身につけたいです。

Q.応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

 藤原:試合での全力プレーはもちろん、挨拶などのマナーも見てほしいです!
 西:ピンチの場面での粘り強い投球です!

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

 藤原:先輩と後輩の仲の良さは他のチームに負けていません。練習から積極的にコミュニーションが取れています。
 西:先輩、後輩の仲が良いだけでなく、練習中にお互いを褒めたり、厳しい言葉もかけられる。先輩、後輩関係なく、互いに高め合っていけるところが僕は大好きです。相手が全国レベルチームだとしても、全員が「勝つ!」という気持ちで向かっていける、気持ちの強さは他のチームにも負けません。この気持ちがあるからこそ、試合でベストの力を出し切れていると思います。

Q.このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

 藤原:全打席安打が打てる、チームから頼られる打者になりたいです。そして、チームをまとめ上げる主将になります!
 西:奈良県No.1投手と呼ばれるような、チームを勝利に導ける存在になります!

 藤原選手、西選手、ありがとうございました!

[page_break:心と体を鍛え、春に大輪を咲かせる!]

心と体を鍛え、春に大輪を咲かせる!


ノック中の様子

  徳田宏司監督に伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 力強さ、もしくはスピードを身につけながら野球に結び付けていこうと話してきました。

Q. 秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 技術は習得しつつありますが、“力負け”している感は拭えないとも感じています。力強さ、スピードを身につけ、野球に還元していく練習を乗り越えるためには精神的な粘り、強い精神力も必要。生活の質を振り返りながら、成長していくこともテーマとしました。

Q. 厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 高校野球は「心・体…技」の順で成り立っていると私は思っています。冬季練習は単調で辛いと思われがちですが、高校生は身体ができてくると「もつれた糸がスッと解けるように、プレーがスムーズに」なってきます。豪快な打撃、華麗な守備などが、今は体現できないかもしれませんが、来るべき日の肥やしとなるよう、身体を作ってほしい。そして、それを乗り越える強い心が、春に大輪の花を咲かせることに繋がると信じてがんばってほしいと思います。

 徳田監督。そして、登美ヶ丘高校野球部の皆様ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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