News

森木大智、笹倉世凪、伊藤樹の中学軟式トップ3は高校でも投手として頂点に立つことができるか?

2019.01.20

森木大智、笹倉世凪、伊藤樹の中学軟式トップ3は高校でも投手として頂点に立つことができるか?

 2018年からの世代ナンバーワン投手は軟式出身が手中しつつにある。金足農吉田輝星(北海道日本ハム)が天王中出身ならば、星稜奥川恭伸は宇ノ気中出身と、軟式でプレーしていた。そして2019年4月に入学を迎える中学3年生は知名度・実力的にも中学軟式のトップ3が世代を牽引することになるだろう。

 1人目が森木大智。高知中のエースとして、史上3校目の春夏連覇達成。さらに第56回四国中学校総合体育大会軟式野球競技の決勝戦では最速150キロをマークした。森木は投球の動画を見てもわかるように体重移動の横移動の上手さと上半身の旋回速度が中学生離れしているのだ。それは森木がより速いストレートを投げるためにトレーニングと投球フォームを追求しているのがインタビューからも見て取れるように、いろいろな高校生や中学生を取材しても別格の逸材だといえる。本人が高校で目指すのは「165キロ」と「高校通算50本塁打」。ぜひスケールが大きい選手を目指してほしい。

 そして森木と投げ合ったのは秀光中等教育の笹倉世凪伊藤樹である。左腕の笹倉は147キロを誇り、右腕の伊藤は144キロを誇る。2人を見ていて思うのは森木同様、中学生離れした上半身の回旋速度の高さが光る投球フォームだ。これまで中学生の投球を見ていてもフォームはしなやかに見えても、踏み出し脚が割れてしまったり、上半身の回転がいまいち速くない。14歳~15歳ならばそれも当たり前の話なのだが、笹倉と伊藤はそれが見えない。

 笹倉はインタビューで下半身の体重移動を意識し、体のブレがなくなったと答えてくれたように全身が連動した投球フォームとなった。体を沈め、テークバックを取ってトップに入ってからリリースに入るまでの回旋が非常に速く、鋭い腕の振りを生んでいる。ボールの速さだけではなく、ピッチングフォーム見れば掛け値なしの逸材であることが分かる。

 最後に紹介する伊藤も笹倉同様、一連のフォームが連動しているのが強み。まず左足を上げてから軸足がぶれずに真っすぐ立つことができていること。そしてテークバックを取ったとき、本人が意識するように左腕のグラブを斜めに伸ばして開きを抑えようとしている。トップに入ったとき、胸郭を上手く使い、トップに入ったとき、しっかりと胸に張れること。打者よりでリリースができていて、最後のフィニッシュでも軸足が強く蹴り上げて、左足に全体重が乗って終えていることが分かる。

 中学生で速い投手はどこか粗削りなところがあるのだが、彼らは全く粗削りなところが見えない。それでいてまだ体つきを見るとパンプアップできるところがあり、さらに球速が高まる予感をさせる。

 さて3人は高校に進んでもトップレベルでいられるか。過去のスーパー1年生と呼ばれた投手と比較しても、体幹の強さ、柔軟性があり、さらに無理のない体の使い方をしているので、活躍する可能性は十分に高いだろう。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.18

【春季関東大会】鹿島学園が逆転勝利!左腕コンビのリリーフで樹徳との接戦を制する!

2024.05.17

【春季関東大会注目野手一覧】超高校級のショートトリオ、健大高崎の強肩捕手など24人の逸材野手をピックアップ!

2024.05.18

国民的人気だった韓国の高校野球はなぜ凋落したのか? “韓国の甲子園球場”の撤去、少数エリート制度の弊害……【韓国高校野球事情③】

2024.05.17

【関東大会注目チーム紹介】13年ぶりの春季埼玉王者・花咲徳栄打線は超強力!ドラフト上位候補スラッガー・石塚を中心に県大会58得点!

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?