「165キロ」「50本塁打」そして「マルチプレイヤーとして」聖地へ 森木 大智(高知中3年)【後編】
2019年4月、中学軟式野球界を超えて日本野球界に驚きをもたらした15歳右腕が、いよいよ高校野球の世界に足跡を刻む。高知中に春夏中学野球連覇をもたらし、自らも日本中学野球史上初となる最速150キロをマークした森木 大智(もりき・だいち)がその人だ。
前編では、11月25日(日)に行われた高知高の紅白戦や高知県選抜の一員として出場した「第18回全国中学生都道府県対抗野球大会in伊豆」について伺った。後編では、高校野球に向けての意気込みや具体的な目標についても迫っていく。
森木 大智(高知中3年)独占インタビュー !高知高で志す「マルチプレイヤー」【前編】
高校では「自分たちでどのように練習を作っていくか」が大事になる
森木大智(高知中)
―― その2019年夏、高知高1年・森木 大智として自分のプレーイメージはどのように持っていますか?
森木 大智(以下、森木) 「やれと言われたらどこでもできる選手」を目指しています。できるだけ多くのポジションを守れるようにしたい。その意味では今やっているショートもフライも多いし、投げる距離も長いので、どこでもできる選手のベースになると思います。
―― 目指すのは「ハイレベルなマルチプレイヤー」ですか?
森木 そうですね。高校で日本一の選手になりたいと思っている中、どこのポジションでもできる選手を目指してやっています。
―― 2018年で言えば根尾(昴・大阪桐蔭~中日ドラゴンズ)さんが1つの指針になると思います。森木選手からから見た根尾さんはどんな印象ですか?
森木 練習の意識もすごく高いと聞いていますし、私生活から野球につなげていくことも聞いているので、そういった部分は吸収していきたいです。根尾さんのようにどこでも守れるためには「集中力」が大事になるので、いいところを見習っていきたいです。
―― そこが紅白戦の話をした際にあった「一瞬で流れが変わる」を食い止める集中力にもつながってくるわけですね。
森木 ちょっと抜いたらすぐ持っていかれますね。
―― 高校では高知中で8月上旬まで指導を受けた濵口(佳久)監督の指導を再び受けることになります。
森木 高校での練習は「自分たちでどのように練習を作っていくか」が本当に大事になると思います。最終的には(第9回文部科学大臣杯全日本少年野球大会に続く春夏連覇を果たした)全中(第40回全国中学校軟式野球大会)のように、監督がいなくても自分たちで野球をできるようにしたいです。
システム・打順のめぐりあわせ。「この場面でこういうサインを、こういう目的で出す」ということを全部理解していったら、もっと強くなると思います。
―― 濵口監督のサインに対して「ああ、やっぱりそうだね」と思えるようなチームに?
森木 そうです。それを中学校の時から言われてきたし、それが強くなる秘訣だと思います。
[page_break:高校は0からのスタートだと思っている]高校は0からのスタートだと思っている
高知高での紅白戦に登板する森木大智(高知中)
―― 最初の公式戦が5月の四国大会になるのか、高知県総合体育大会になるのかはまだ不透明ですが、森木選手はそこまでにどのような姿になっていたいですか?
森木 まずベンチに入ることは最低条件。そしてできたらレギュラーになって、チームの中心選手にまで上がっていければいいと思います。
―― 森木投手が高知高校で最終的に目指す目標はありますか?
森木 投げる方では「165キロ」を。打つ方では「高校通算50本塁打」を達成したいと思っています。大きな目標ですけど、それが達成できるように自分を奮い立たせていきたいです。
―― 森木選手の高知中3年時には軟式での侍ジャパンU-15代表は編成されませんでしたが、侍ジャパンU-18代表入りへの想いもあるのでは?
森木 世界を見てみたい想いは中学校の時から持っていたので、できればですが高校1年から入ってみて、同じ軟式野球(かほく市立宇ノ気中)出身でも軽く投げてボールを弾いている奥川(恭伸・星稜2年・2018年侍ジャパンU-18代表)さんをはじめ全国トップクラスの選手のいい所を盗んで、勉強しながらいい経験ができればいいと思います。そうなるために、もっと努力していきたいです。
―― もちろん春に静岡県で全国制覇を果たした後、センバツの高知高応援に行って見た甲子園マウンドに立ちたい想いも持っていると思います。
森木 はい。新3年生の先輩たちと甲子園に行けるチャンスは夏しかないですし、1年夏でマウンドに立ってたくさん経験を積みたい気持ちもあります。自分ががんばって先輩たちに舞台を踏んでもらえるように、いい思い出で高校野球を終わってもらいたいです。
―― 確かに、もうすっかり練習にはなじんでますね。
森木 優しい先輩たちばかりです。高知中の先輩の濵田(世・1年)さんとかも「キャッチャーお願いします」とお願いしても「怖いわ」とか言いながらも気軽に引き受けてくれるので、ありがたいです。
―― では最後に4月からの高校球児生活へ向けて、この冬の目標をお願いします。
森木 この冬はしっかり振り込んで、紅白戦があるならば経験を積んで。高校は0からのスタートだと思っているので、硬式野球のバッティング含めた走攻守をやっていきたい。それが全部できるようになりたいです。
―― 春からの高知高校・森木 大智に期待しています。ありがとうございました。
森木 ありがとうございました!
文=寺下 友徳
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