試合レポート

高松商vs八戸学院光星

2018.11.11

改めて名門復活を示す高松商の勢い、八学光星も粉砕して4強進出

高松商vs八戸学院光星 | 高校野球ドットコム
ホームランを放った立岩知樹(高松商)

 3年前のこの大会で優勝を果たして、翌春のセンバツでも準優勝した高松商。第1回センバツ大会の優勝校でもある名門校が、久しく低迷していたところから復活を果たして古くからのファンや関係者を喜ばせたが、その高松商はこの秋も四国大会を制して神宮大会に進出してきた。

 これに対して八戸学院光星は21世紀に入って甲子園では3大会連続準優勝を果たしているという実績を誇っている。いわば、近年の強豪校で甲子園常連校である。そんな、新旧対決とも言える顔合わせとなったが、高松商が勝負強さを示して、序盤に点を取り合った試合を制した。

 先制したのは八戸学院光星で初回、二死二三塁から5番太山君の右線二塁打で2点を奪う。しかし、高松商は2回にすぐに反撃。先頭の6番浅野君が左越二塁打すると、バントと篠原君の三遊間をゴロで破る左前打で1点を返す。なおも、四球後1番飛倉君の中前打で同点。さらに一死一三塁となって2番大塚君のスクイズは安打となって、逆転してなおも一死一二塁。さすがにここで、八戸学院光星の仲井宗基監督は先発マウンドに立っていた背番号5の下山君を三塁へ戻して、この日は9番中堅手で先発出場していた後藤君をマウンドに送った。その代わり端を3番香川君が右前打して二塁走者が帰ってこの回4点となった。

 その裏、八戸学院光星も二死三塁から3番武岡君の右前タイムリー打で1点差とする。しかし、高松商はさらに攻撃を仕掛けて3回、二死走者なしという場面から失策の走者を9番新居君の右越二塁打で帰して、さらに1番飛倉君の中前打などでこの回2点が入る。こうして、乱戦気味の点の取り合いで序盤は進んでいった。

 試合はさらに動いて4回に八戸学院光星が内野安打の走者をバントと内野ゴロで進めて、バッテリーエラーで帰って2点差とする。まだまだ、試合は荒れていくのではないかと思われたが、ここからやっと試合が落ち着いていく。ここまでは、三者凡退が高松商の4回の攻撃のみで、1時間半を経過するなど、印象としてはややもたついた展開というところだった。

 それでも、ここからの展開としてはは高松商は香川君から中塚君とつなぎ、八戸学院光星も後藤君が踏ん張っていた。ただ、試合がそのままで最後まではいかないだろうなと思っていたところで8回、高松商は四国大会準決勝から4番に入っているという背番号11の立岩君が右翼スタンドへ3ランを放って試合展開としても貴重な一発となった。

 高松商の長尾健司監督は立岩君に関しては、「4番打者というよりは、4番目の打者なんですけれども(苦笑)、引っ張って三塁ゴロを打つのではなくて、右へおっつけて行けと言う指示を出したのだけれども、その通りの打ってくれたのでよかった」と、立岩君の公式戦初本塁打は、意外性もあってチームをさらに勢いづけたという認識だったようだ。

 八戸学院光星も8回は二塁打のこの日2本目の大江君を島袋君のタイムリーで帰し、9回は4番近藤君の左越ソロで追い上げたがそこまでだった。仲井監督は、「無死二三塁で送りパントが出来ないだとか、大事なところで失策が出てしまうという、質の低い野球をしてしまいました。こういうことをやっていたら、全国では勝てないということを分からせてもらえたということでは、改めて課題を提供されたということだと思います」

 負けの中から、何をどうプラスにして来春へつなげていくのかということに対しては貪欲だった。

 

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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