高松商vs高知商
高松商、1年前の屈辱越え3年ぶりセンバツへ!
3年ぶり15度目の大会決勝進出を決め、グラブを合わせる高松商・香川 卓摩(2年)
「マウンドに上がれば一切考えることはなかったですが、準々決勝で明徳義塾に勝って次につなげ、1週間を過ごす中では『何としても勝つ』と思いました」。144球7安打完投の後、代表して秘めていた想いを述べたのは左腕エース・香川 卓摩(2年・165センチ62キロ・左投左打・東かがわリトルシニア出身)。この試合、高松商には1年前の秋季四国大会準決勝で英明に6回コールド負け、明治神宮大会枠を準々決勝で惜敗した英明に譲り渡した雪辱を期す強い意気込みがあった。
それを気負いにしないような長尾 健司監督のベンチワークも光った。特に香川県大会ではやりくり含め苦心を重ねていた4・5番への指示は「外角のボールを踏み込んで叩き、得意な方向へ打て」と極めてシンプルかつ明快。結果「3打席目からはバットを短く持って回転して打てた」4番・立岩 知樹(2年・一塁手・175センチ85キロ・右投右打・さぬき市立志度中出身)は5回表7得点へのチャンスメイクとなった左越二塁打含む5打数2安打2得点。5番・岸本 将翔(2年・左翼手・179センチ82キロ・右投右打・高松市立紫雲中出身)は、5回表一死二・三塁からの中前2点打含む3安打と躍動した。
かくして2003年1回戦以来秋季四国大会では11度目となる高知商との対決で5勝目をあげ、3年ぶりのセンバツ出場へ正真正銘の青ランプが灯った高松商。「甲子園からのイケイケの流れでここまでは来れたが、これからは厳しさも持ってやっていきたい」と試合後、1番・主将・山崎 大智(2年・一塁手・180センチ76キロ・右投右打・高知市立城西中出身)が新たな決意を述べた高知商の想いも手にして、彼らは3年前の先輩たちが成し遂げた明治神宮大会優勝への道を着実に昇っていく。
(文=寺下 友徳)