目指すは杉内俊哉!東亜学園エース・細野晴希が目指す投手像
8回に国士舘3番・冨田洋佑にホームラン打たれ、計5失点となったもののそこまでは国士舘打線を2失点で凌いできた東亜学園先発・細野晴希。今夏もベンチに入り、大会でも投げている経験豊富な細野が、この試合を通じて得られたこと。そして春に向けての意気込みを語ってもらった。
チームを勝たせられるようにしたい
細野晴希(東亜学園)
9回を1人で投げ切った細野。失点こそ5だが、注目すべきは四死球の数である。打者32人に対して四死球はわずか1。9回を投げて108球と球数も少ないが、この四死球の少なさは優れた数値だ。
本人はこの数値について良くできたと振り返っている。
「四球は少なかったことは良かったです。ただボール先行になってしまい、ストライクを入れに行ったら打たれた。ストライク先攻でなかったのが打たれた要因でした。」
国士舘打線は「切れ目がなく、打ってくる打線。ですので、イニングの先頭は気を付けました」と細心の注意を払った投球を心掛けた細野。それが原因でホームラン王につながる四球を与えたといえばそれまでなのだが、結果的に敗戦してしまった。
東東京で唯一のベスト4で、来春は第一シードが間違いない東亜学園。夏の大会で結果を出すためにもこの秋の経験を生かしたいところ。冬場でさらなるレベルアップを目指す細野は「去年の冬はついていくのでやっとでしたが、今年は歯を食いしばって頑張りたいです。イメージですが、軽く投げて140キロ出るようにしたいです」と具体的な数値目標まで掲げた。
そんな細野には参考としている選手がいる。それは今シーズン限りで現役を引退した、杉内俊哉(巨人)だ。
「リリースポイントだけに力を入れて投げていることと、一番打ちにくいフォームだと思っているからです」と、ノーヒットノーランなどの大記録や世界を舞台に戦った左腕の力感のないフォームを「自分の中では究極の左投手」だと位置づけている。
最後に春への意気込みを聞くと、「チームを勝たせられるようにしたいです」とシンプルな回答が来たが、それこそがエースとして一番の役割である。
東亜学園を聖地に連れていくため、細野晴希の究極の左腕を目指す日々はまだ始まったばかりだ。
文=編集部