腰椎の動きとストレッチ
腰椎の動きやすさはパフォーマンスに直結する。日頃からしっかりストレッチを行おう。
野球に限らずスポーツ全般では、体を曲げる、反らせる、ひねるといった腰背部の動きが非常に重要な役割を果たします。体を支える軸として機能する脊柱は自然なS字カーブをもっていますが、脊柱を支える筋肉の柔軟性が低下したり、脊柱を構成する骨の配列が乱れたりすると腰背部の動きが制限されて、パフォーマンスに影響するだけではなく、腰痛などケガの原因となることもあります。腰の前・後屈は主に腰椎が、ひねり動作は胸椎が大きく関与しています。これらの動きを良くするためのストレッチを確認してみましょう(※もともと腰に痛みのある選手は痛みのない範囲にとどめましょう)。
【前屈動作】
体を前に倒す前屈動作に制限が出たり、そもそも体の硬さを感じる時は体の後面を伸ばすようにしてみましょう。具体的には太もも裏側のハムストリングス、臀部、背中のストレッチを行います。動きの中で伸ばすジャックナイフストレッチ(しゃがみこんで両手で踵を保持し、膝の屈伸運動を繰り返す)などを行ってから前屈動作を行うと、ストレッチ前よりもスムーズに体を動かすことができます。
【後屈動作】
体を後ろに反らせる動作についてもよりしなやかに動きたいときは、体の前面を伸ばすようにしましょう。特にわかりやすいのが股関節の付け根部分にある腸腰筋のストレッチです。この筋肉を伸ばすだけでも後屈動作はよりスムーズにできるようになります。腸腰筋の柔軟性が高まると、股関節を曲げたときに感じる「つまり感」の改善にもつながります。
【ひねり動作】
ひねり動作は腰椎の上にある胸椎の動きやすさによって変わります。体をはさみ込むように肋骨の下付近を両手で保持し、おへそを少し前に突き出すようにして回旋のストレッチを行います。腰よりも少し上の部分を意識してひねり、その付近の筋肉を伸ばすと回旋動作がよりスムーズに大きくできるようになります。野球のプレーにはひねり動作が欠かせないので、日頃からこのようなストレッチも行っておくとよいでしょう。
文:西村 典子
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