150キロ右腕・村西良太(近畿大)が大会出場を呼び込む快投!飛躍を生んだ2つの取り組み
村西良太(近畿大)
150キロ右腕・村西良太が近畿大の神宮大会出場を呼び込む快投!飛躍を生んだ意識改革
10月29日、近畿大は明治神宮第一代表決定に臨み、関西国際大と対戦。1対1で迎えた延長10回裏、一死二、三塁からバッテリーミスでサヨナラ勝ち。2006年以来となる神宮大会出場を決めた。
緊迫とした投手戦。勝利をもちこんだのは最速150キロ右腕・村西良太(3年・津名)の快投からだった。0対1の1点ビハインドで迎えた8回表、2番手として登板した村西は立ち上がりから全力投球。又吉克樹(中日)をモデルとする村西はインステップ気味で、さらに踏み出し脚の膝をくいっと上げる独特の踏み出しを行い、そこから右ひじをくいっと上げてから、上半身を鋭く回旋させる投球フォーム。この日は「ストレートの走りが良かった」と語るように、球速は常時142キロ~148キロ、さらに145キロ以上は10球以上を計測。打者の手元で強く押し込む威力十分のストレートで、ひざ元に143キロのストレートが決まったときは関西国際大の打者は手を出すことができなかった。まず8回表、村西は三者凡退で退ける上々の立ち上がり。これで勢いに乗った近大は8回裏には同点犠飛で試合を振り出しに戻す。
その後も村西は3回を投げて、被安打0、3奪三振、無四球のピッチング。10回裏にサヨナラを決め、勝ち投手となった。
淡路島出身の村西。津名中では、淡路市で活動するアイランドホークス(淡路ボーイズ)に所属し、津名高に進むと、2年秋には近畿大会へ出場した。近大に進学すると、ウエイトトレーニングに着手。デビューした1年秋には、高校時代の最速143キロから6キロ更新する149キロを計測。しばらく不調が続いていたが、今年にかけて体重が増加。3年秋の同志社大戦で150キロを計測。その後も、好投を続け、10試合に登板し、24.1回を投げ、30奪三振、2勝0敗、防御率2.22(リーグ8位)を記録し、優勝に貢献した。このシーズンを振りかえって「調子が良く、自分の投球ができた」と振り返ったが、好調の秘訣は「昼寝」だった。
近畿大が神宮大会出場を決める
村西は2年生のうち単位を多めにとったころで、3年生になって、日中に時間が取れた村西は4時間睡眠を敢行。たとえば午前中が練習で、午後は特に予定がない日は14時から18時まで昼寝。また、23時には就寝し、7時には起床する生活を送っているという。こうして疲労もしっかりと取ることができており、また体も大きくなり、66キロから7キロ増加の173センチ73キロとビルドアップに成功。高校時代を比較しても筋肉隆々の両腕、胸板を見ても、鍛えこんだ跡が見える。
また、速球以外にも磨きをかけ、今年から左打者対策としてスプリットを習得。135キロ前後のスピードで急激に落ちるスプリットは大きな武器となっており、左打者を打ち取る大きな武器となっている。
こうして巡ってきた初の全国舞台。「楽しみです」と笑顔を見せる村西。大卒でプロに行ける選手を目指したいと語った村西にとって、本当の勝負はここからだといえるだろう。